Project/Area Number |
08876039
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Fisheries chemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村上 昌弘 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (70134517)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | アオコ / aeruginosin / 藍藻 / 嫌気的培養 / 物質生産 / Microcystis / プロテアーゼ阻害物質 / 栄養獲得形態 |
Research Abstract |
一般的に藍藻類は、高等植物と同じように光合成によって無機物を利用し、生命を維持し、増殖を行う独立栄養型の生き方をしていると受けとめられている。しかしながら、藍藻類の中には、有機物を利用しエネルギーを得る従属栄養型の行き方が可能な種も多い。いずれにせよ、これらのエネルギー産生の場は、細胞質であり、栄養獲得形態によって、産生される物質は異なると考えられる。また、申請者は、これまで、主に淡水産藍藻類のプロテアーゼ阻害物質の探索を行い、多数の新規ペプチドを単離・構造決定しているが、Microcystis aeruginosa(NIES-98)が細胞外に分泌されるaeruginosin関連化合物を産生することをみいだした。 本研究では、M.aeruginosa(NIES-98)を用い、MA培地を基本培地とする8培養条件によりaeruginosin関連化合物の産生の差を検討した。すなわち、1.通常の条件、2.アルゴンで置換した嫌気的培養、3.全暗条件、4.嫌気条件かつ全暗条件、5.NO_3濃度を5倍、6.NO_3濃度5倍で嫌気的条件、7.NO_3濃度5倍で全暗条件、8.NO_3濃度5倍で嫌気的条件かつ全暗条件で培養を行った。 Aeruginosin関連化合物の分析には、逆相系のHPLCを用い、210nmで検出した。NO_3濃度が通常の各培養条件下では、2、3、4の条件のいずれにおいても、1(Stanndard)より5倍〜10倍、aeruginosin関連化合物の産生能が増加した。また、NO_3濃度を5倍にした場合でも、産生能が増加し、かつ2、3、4の条件よりもaeruginosin関連化合物の生産量は多かった。 以上、M.aeruginosa(NIES-98)では培養条件の違い、特に嫌気的条件、全暗条件化で物質生産が高まることが示唆され、栄養獲得形態の差によって物質生産に差が出ることが明らかにされた。
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