アシルカルニチン(ACR)の生理学的意義の解明と減少病態の研究
Project/Area Number |
08877082
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
倉恒 弘彦 大阪大学, 医学部, 助手 (50195533)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
待井 隆志 大阪大学, 医学部, 助教授 (50124780)
|
Project Period (FY) |
1996 – 1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
|
Keywords | 慢性疲労症候群 / CFS / アシルカルニチン / ポジトロンCT / 神経伝達物質 / GABA / 神経ホルモン / DHEA-S / カルニチン / 疲労感 / 分子メカニズム |
Research Abstract |
我々は、原因不明の強い疲労感を主訴とするCFS患者を調べていたところ、血液中カルニチンには異常が見られないが、脂肪酸がカルニチンと結合したアシルカルニチン(ACR)が著減しており、かつ疲労の程度と良く相関していることを見出した(Clin Infect Dis 1994)。この成績は、欧米や日本における追試より確認されている。しかし、当時は血液ACRの生理学的意義は知られておらず、CFSの病態との関連は全く不明であった。 そこで、生体におけるACR動態を明らかにするため^<11>Cを用いてACRを標識し(Nucl Med Biol 1997)、ポジトロンCTを用いて検討したところ、哺乳動物では肝臓を中心としたACR動態調節系が存在していること(BBRC 1996)、血液ACRのアセチル基は極めて多量に脳に取り込まれ神経細胞の興奮や抑制に重要な働きをしている神経伝達物質(GABAやグルタミン酸)の生合成に使われていることを見出した(BBRC 1997,Carnitine Today 1997)。 さらに、脳の神経細胞にはこれまでに知られていたACR取り込み機構とは異なる高親和性の取り込み機構が存在することや、CFS患者は左前頭葉47野や前偏頭野などの情報や感情、自律神経系の調節に重要な働きをしている部位において有意にACRの取り込みが低下していることも見出している(投稿準備中)。 また、カルニチンと脂肪酸との結合はcarnitine acetyltransferaseにより調節されているが、この酵素活性を調節している神経ホルモンdehydroepiandrosterone sulfate(DHEA-S)がCFS患者では減少しており、かつ思考力の低下や抑うつ状態と相関していることも明らかとなった(Int J Mol Med 1998)。
|
Report
(2 results)
Research Products
(15 results)