Project/Area Number |
08877088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
誉田 芳孝 群馬大学, 生体調節研究所, 講師 (90261867)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ヘリコバクターピロリ / ワクチン / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
Helicobacter pylori(H.pylori)は、胃炎、消化性潰瘍、胃癌との関連が報告されている病原体であり、現在、抗菌剤、酸分泌抑制剤併用による除菌療法の試みが行われている。しかし、除菌療法でに関しては、1)その有効率・除菌効果の持続期間にはまだコンセンサスが得られていない、2)再感染に関する研究結果に乏しい、3)抗菌剤耐性菌が出現する、など問題点が多い。そこで本研究では、H.pylori治療の新たな手法としてのワクチン療法を進展させるために、遺伝子導入の手法を用いたワクチン開発をめざした。 従来、ワクチン療法は病原体蛋白を生体に投与することにより免疫能を獲得させるものであるが、近年、病原体蛋白の特定の部位をコードする遺伝子を生体に導入する事により免疫能を獲得させうることが示された。また、H.pylori中のウレアーゼB蛋白は、アジュバンドとしてのコレラ毒素蛋白とともにマウスに投与することにより、H.pyloriに対するワクチン作用を示すことが明らかとなっている。 そこで、まず第一に、H.pyloriゲノムDNAをテンプレートとし、PCR法によりウレアーゼB遺伝子をクローニングした。得られた遺伝子断片の配列を確認した後、動物細胞発現ベクターにこの遺伝子断片を組み込んだ。作製したDNAをCHO細胞に導入し、この細胞を抗ウレアーゼB抗体を用いて免疫染色することにより、ウレアーゼB蛋白の発現を確認した。 このDNAを、H.pyloriの感染モデルとして頻用されるスナネズミに、尾静脈を介して導入したところ、血清抗ウレアーゼBlgG抗体価の軽度上昇は認めたものの、期待された、H.pylori感染に対する明確なワクチン効果は観察されなかった。 私達は、この結果を、上記の方法が、粘膜免疫に関与するlgA産生の不足によるものと考え、効果的に抗H.pylori lgA抗体を産生させることのできる、遺伝子導入法を検討中である。
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