心筋細胞の発生機序の解析とその分化誘導方法の開発及び障害心への定着
Project/Area Number |
08877109
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 力 東京大学, 保健管理センター, 講師 (60251245)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 健彦 東京大学, 医学部(病), 医員
塩島 一朗 東京大学, 医学部(病), 医員
山沖 和秀 東京大学, 医学部(病), 講師 (70182409)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 心筋細胞 / ES細胞 / MAPキナーゼ / Csx / raf1 / ras / GATA-4 / MEF2C |
Research Abstract |
心筋細胞分化におけるMAPKカスケードの役割をin vitroで心筋細胞に分化する未分化胚細胞(ES細胞)を用い検討した。すなわち、ES細胞を浮遊培養すると、細胞集塊(embryoid body、EB)を形成し、心筋細胞に分化する。分化初期に相当する浮遊培養開始後3日目に心臓の発生に必須の組織特異的転写因子のCsxのプロモーターにルシフェラーゼ遺伝子を結合したレポータープラスミド(Csx-luc)とともにMAPKカスケードを特異的に阻害あるいは活性化するdominant negative(DN)ras、constitutive(CA)ras、 DNAraf1、CA raf1、DN MEK、CA MEK、DN MAPKの発現ベクターを遺伝子導入し、Csxの転写活性に与える影響を検討した。また、MAPKフォスターゼであるCL100を過剰発現させ、MAPKカスケードを抑制したES細胞のcell lineを樹立、分化させ、顕微鏡による観察での拍動の割合、心筋分化に重要な組織特異的転写因子であるGATA-4、MEF2Cの発現を検討した。また、ミオシンの発現を抗ミオシン抗体MF-20による免疫蛍光染色法で解析した。その結果、Csx-luc活性はDN rasで完全に抑制され、DN raf1、DN MEK、DN MAPKで約20%に低下した。一方、CA ras、CA raf1、CA MEKではその活性は上昇した。Wild type EBが40〜50%の拍動を示したのに対しCL100過剰発現細胞は拍動が停止し、ミオシンの発現は10%以下に抑制された。しかし、GATA-4、MEF2Cの発現量は変わらなかった。以上より、MAPKカスケードが心筋細胞の分化に重要であることが示された。MAPKカスケードがCsxのプロモーター活性に重要であった一方、GATA-4、MEF2Cの発現には影響がなく、MAPKカスケードが組織特異的転写因子のレベルで心筋分化に関わっている可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)