Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
メラノーマ細胞におけるケラチンの細胞生化学的役割について研究を行った。従来、このケラチンの機能はメラノーマ細胞で全く不明であったので、まずその発現について検討し8種類のメラノーマ細胞株で普遍的発現の事実をはじめて確認した。すなわち表皮に含まれている4種(K1,K5,K10,K14)はすべての細胞株で発現しており、他にK8,K13,K16が細胞株特異的に認められた。これまでのケラチンの抽出方法より温和な条件で行ったのが、これらの結果を導いたものと思われる。さらに用いた全ての細胞株にATP合成酵素α-鎖と未知の蛋白質(MMRP;malignant melanoma related protein)が共通に発現していた(J.Dermatol.Sci.,13,219-227,1996)。 メラノーマの転移と運動能にケラチンがいかに関与しているかを、原発巣(WK)再発巣(MC,EP)それに転移巣(LH,RU)からそれぞれ樹立した細胞株を用い、蛋白質生化学的および細胞生化学的に解析した。その結果、WKに比べてMC,EP,LHとRUではK5ケラチンの異常発現とMMRP and/or ATP合成酵素α-鎖が特異的に多く発現している事実を確認した。これらの結果より、ケラチンは従来いわれていた細胞内の構造維持の他に、運動能や転移に深く関連していることを強く示唆した(FEBS Lett.,407,25-31,1997;Eur.J.Dermatol.,7,543-548,1997)。 現在、MMRPのクローニングを行っている。
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