新しい作用機序による抗癌剤/放射線増感剤のin vivcにおける効果の確定
Project/Area Number |
08877138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芝本 雄太 京都大学, 胸部疾患研究所, 助教授 (20144719)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 5-フルオロウラシル / 5-Fluorouracil / Radiation / Radiosensitizer |
Research Abstract |
京都大学大学院工学研究科において新たに合成された、放射線照射によって活性化されて5-フルオロウラシル(5-FU)を放出して、抗癌および放射線増感作用を発揮する薬剤OFU001[昨年度まではKPB13001と呼称、1-(2'-オキソプロピル)-5-フルオロウラシル]の効果について、培養細胞とマウス腫瘍を用いて詳細に検討した。まずAr飽和下t-BuOH/リン酸緩衝液中における、OFU001の放射線照射による基質分解と5-FUの遊離を高速液体クロマトグラフィーで測定したが、前者のG値は2.5、後者のG値は1.5であった。培養液に溶解した当薬剤(1mM)を低酸素状態で30Gy照射後、SCCVII細胞と3-6時間接触させると、細胞生存率は40%に低下したが、有酸素照射では生存率は85%であった。またこの薬剤単独では生存率は85-90%であった。この薬剤1mMをSCCVII細胞とともに有酸素または低酸素状態で照射し、直後に薬剤を除去した場合は、薬剤による放射線増感効果を認めなかった。In vivoのSCCVII腫瘍に対しては、50mg/kgの投与量においては放射線照射効果の増強を認めなかったが、100または200mg/kgを照射の30分前に投与すると照射単独に比べて、腫瘍の増殖遅延日数を延長させた。効果修飾率は約1.2であった。ただしこの薬剤を1日4Gy、5日間の分割照射と併用した場合は、効果を認めなかった。この化合物は放射線還元によって活性化され、5-FUを放出する新しいタイプの化学修飾剤である。当化合物の有する活性の程度では臨床応用はできないが、腫瘍に対して選択的に作用する抗腫瘍剤の開発が可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)