低温熱量を用いた温熱処置後の腫瘍内静止期細胞分画における再酸素化現象の分析
Project/Area Number |
08877139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
増永 慎一郎 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (80238914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 公二 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (90122407)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | 静止期細胞 / 低温度温熱治療 / 低温熱量 / 急性低酸素細胞分画 / ニコチンアミド / 慢性低酸素細胞分画 / カーボジェンガス / SCC VII腫瘍 |
Research Abstract |
まず、C3H/Heマウスに移植された直径1cm大のSCC VII腫瘍の全腫瘍細胞(P+Q細胞)と静止期細胞(Q細胞)の低酸素細胞分画は、各々14.3±0.9%,59.6±4.4%である事を明らかにした。次に、SCC VII腫瘍を移植したC3H/Heマウスに、固形腫瘍内の急性低酸素細胞を酸素化するとされるニコチンアミド投与や慢性低酸素細胞を酸素化するとされるカーボジェンガス処置に低温度(=低温熱量)温熱処置を組み合わせた処置によって、低温度温熱処理が主として固形腫瘍内の慢性低酸素細胞分画を解除し酸素化することを明らかにした。さらに、低温度温熱処理後の低酸素細胞分画を求めるための放射線照射のタイミングを様々に変化させて、P+Q細胞及びQ細胞における低酸素細胞分画の時間的変化をC3H/Heマウスに移植されたSCC VII腫瘍について検出した。その結果、低温度温熱処置によって、Q細胞の低酸素細胞分画は(P+Q)細胞の低酸素細胞分画より著しく低下し、低温度温熱処置による低酸素細胞分画の低下は、低温度温熱処置後2-3日後にはほぼ消失する事が明らかになった。以上の事実は、低温度温熱処置はカーボジェン処置と同様に、慢性低酸素細胞分画を多く含むQ細胞分画の低酸素細胞分画をより顕著に低下させ、その効果は2-3日維持される事を示した。ここまでの結果は、当初、直接的な殺細胞効果や放射線増感作用を期待して施行されている放射線治療直後の温熱治療であっても、さまざまな臨床的な理由によって、これらの効果がほとんど期待できなて様な低温度までしか加熱し得なかった症例に対しては、放射線照射と温熱治療の順序を逆転させ、腫瘍の酸素化現象を促すための低温度温熱治療をまず施行し、しかる後に放射線を照射し増感効果をねらうという臨床的な可能性をも示唆した。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)