Project/Area Number |
08877155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 裕 京都大学, 医学研究科, 助手 (40252457)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | TGF-β / リボザイム / アデノウィルス / アンチセンス / cGMP / 血管平滑筋細胞 / トランスジェニックマウス / Gキナーゼ |
Research Abstract |
1.TGF-βは、アンジオテンシンII等血管作動性ペプチドにより遺伝子発現が制御され、それら血管作動性ペプチドの血管平滑筋細胞増殖調節に関与する。TGF-βのmRNAに対する2種類の1本鎖ハンマーヘッド型リボザイムを構築し、更に、通商産業省工業技術院多比良博士との共同研究により得た、リボザイム大量発現ベクター(細胞質内での分解を防ぐため細胞内で安定であるtransfer RNA構造の中にリボザイムを組み込む)に組み換え、これを用いてin vitroでTGF-βmRNAを高率に切断させることに成功した。 2.我々が報告した新しい内皮由来血管弛緩ペプチドであるC型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)cDNAをアデノウィルスに組み込み培養血管平滑筋細胞(VSMC)に感染させCNPを過剰発現させることで、cGMPカスケードが活性化されVSMCがG1期増殖抑制を受けることを明らかにした。更に、ラビット大腿動脈にCNP遺伝子組み換えアデノウィルスを感染させ、生体血管壁へCNP遺伝子を導入することにより、バルーンカテーテルを用いた血管壁損傷後の新生内膜増殖が著明に抑制されることを明らかにした。 3.CNP過剰発現によるcGMPカスケードの活性化により、新しい心血管系特異的ホメオボックス遺伝子であるGax(Growth Arrest-specific Homeobox)遺伝子が活性化されることを明らかにした。更に、Gax mRNAに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを作成し、培養VSMCにtransfectionさせることにより、Gaxの遺伝子発現を特異的に抑制すると、cGMPカスケードによるVSMC増殖抑制がほぼ完全にブロックされることを明らかにした。 4.cGMPカスケードによる細胞増殖抑制作用のメディエーターであるヒトcGMP依存性プロティンキナーゼ(Gキナーゼ)タイプI α cDNA全長のクローニングに成功した。更に、Gキナーゼ大量発現ベクターを構築し、細胞増殖抑制効果を確認した。更に、Gキナーゼ過剰発現トランスジェニックマウスを開発中である。 5.現在、2-4で得た知見をもとに、1で得たリボザイムに関する実験手技をもとに、CNP、Gキナーゼ及びGax mRNAに対するリボザイムを構築し、テトラサイクリン誘導型ベクターへ組み込みそのVSMC増殖に対する効果を検討中である。更に、4で得た発生工学的手法をもとに、テトラサイクリン誘導発現システムを用いたcGMPカスケード遺伝子の"knock down"マウスの開発を計画している。
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