イムノリポソームを用いたサイトカイン遺伝子導入による糸球体腎炎治療の試み
Project/Area Number |
08877179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
宇都宮 保典 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70231181)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 典也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60147288)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | マクロファージ / 糸球体腎炎 / 遺伝子導入 / サイトカイン / リポソーム / 骨髄細胞 / ICAM-1 |
Research Abstract |
我々は糸球体内に浸潤したマクロファージはメサンギウム細胞の形質変換を誘導し、糸球体障害の増悪・伸展に関与している可能性を報告した。したがって、糸球体内マクロファージの機能を制御することは糸球体腎炎治療において極めて重要と考えられる。そこでマクロファージの機能を抑制するサイトカイン遺伝子を各種ベクターに発現させ、糸球体腎炎の遺伝子治療の試みを行った。 1)Immunoliposomeの作成:糸球体腎炎ではICAM-1などのさまざまな細胞接着分子が発現し、マクロファージなど炎症細胞の糸球体内への浸潤に関与していることが報告されている。そこで抗ICAM-1抗体を結合させたリポゾームにIL-10遺伝子を挿入したImmunoliposomeの作成を試みた。しかしながら、その安定性および効率に問題があり、プロモーター変更など現在検討中である。 2)アデノウイルスを用いた骨髄細胞への遺伝子導入:ヒトglucocerebrosidase(GC)遺伝子を組換えたアデノウイルスベクターを作成し、マウス骨髄細胞へのGC遺伝子導入を試みた。その結果、GC遺伝子を導入した骨髄細胞はGC遺伝子(PCR法)の発現およびGC活性を有することが確認された。さらにICAM-1のリガンドであるCD11b/CD18が骨髄細胞表面に発現していることをflow cytometerにて検討した。 3)実験モデルでの検討:糸球体でのICAMの発現とCD11b/CD18陽性骨髄細胞の浸潤の関連を検討するため、リポポリサッカライド(LPS)誘導糸球体腎炎を作成、GC遺伝子を導入した同種骨髄細胞を尾静脈より投与し糸球体内への外来遺伝子導入が可能か検討した。その結果、GC遺伝子(+)骨髄細胞を投与したマウスではGC遺伝子(-)骨髄細胞投与群に比し糸球体内のGC活性は3倍で、GC遺伝子の存在がPCR法にて確認された。 以上の結果より、CD11b/CD18陽性骨髄細胞により糸球体腎炎における炎症の場に特異的に目的の遺伝子を導入し得る可能性が示唆された。現在、遺伝子導入率の向上および安定性を解決するため、レトロウイルスによる系の開発および抗炎症性遺伝子による糸球体腎炎の遺伝子治療について検討をすすめている。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)