実験的神経因性疼痛モデルの疼痛過敏現象に対するECT(電気痙攣療法)の影響
Project/Area Number |
08877238
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柴田 政彦 大阪大学, 医学部, 助手 (50216016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹之下 真 大阪大学, 医学部, 講師 (00144486)
真下 節 大阪大学, 医学部, 助教授 (60157188)
吉矢 生人 大阪大学, 医学部, 教授 (80028505)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥200,000 (Direct Cost: ¥200,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 電気痙攣療法 / ECT / 神経因性疼痛 / ラット / 神経損傷 / ニューロパシックペイン / 痛み / カウザルギー / 空気痙攣療法 / リチウム / 反射性交感神経性ジストロフィー |
Research Abstract |
近年,動物を用いた神経損傷後疼痛の研究がおこなわれるようになり,末梢神経損傷後には末梢神経一次ニューロンはもとより脊髄後角,視床,大脳皮質知覚野にいたる痛覚伝導系全体の病的変化が起こることが明らかになってきている。電気痙攣療法(以下ECT)は,薬物抵抗性のうつ病の治療として一般的になっており,末梢神経損傷後疼痛の緩和法としても効果が期待できる。そこで,ラットの坐骨神経を損傷することにより作成した痛覚過敏モデルを用いてECTの効果を調べた。ラットの右坐骨神経をクロミックガットで緩く4回結紮することにより熱刺激及び機械刺激に対する痛覚過敏を示すモデルを作成した。坐骨神経損傷7日後よりハロセン麻酔下にラット両耳に100mA,1.0sec,50HzのECTを1日1回6日間連続で与えた。一旦発生した熱刺激に対する痛覚過敏現象は6日間連続のECTの48時間後において有為に抑制されたが1回だけのECTでは有為な効果はなかった。コントロール群においては熱刺激に対する痛覚過敏現象は抑制されなかった。また,ECTは通常の熱刺激の逃避行動に影響を与えなかった。また,ECTに先立ってnifedipine(5mg/kg i.p.)を投与するとECTの痛覚過敏抑制効果は拮抗された。 神経損傷後機械刺激に対する痛覚過敏現象に対してはECTは効果がなかった。 ECTの効果はnifedipineの投与により抑制されたことにより,L-type calclum channelを介していることが示唆された。ECTは熱刺激に対する痛覚過敏現象には効果が認められたが,機械刺激に対しては認められなかった。これは,機械刺激に対する痛覚過敏現象が脊髄レベルより下位の経路が関与しているのに対し,熱刺激に対する痛覚過敏現象はより上位の中枢神経系も関与していることが示唆された。ECTは治療法として一部の症例に対する効果が期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)