Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
in vivo,in vitro,における骨組織形成とCa,P,の動態およびFe剤による骨形成不全の機序解明の為に現有設備である電子エネルギー損失分光分析電子顕微鏡(EM-902,Carl Zeiss)に生物試料用の傾斜ホルダ(カ-ルツァイス45^○ ハイレゾルーションPN/340-749)を組み込み解析を行った。 (材料と方法)マウス胎仔の頭頂骨を用いた。採取した頭頂骨を培養しないで検索するin vivo群と、種々のCa,P濃度に調整した無血清培養液で培養したin vitro群を作成した。また培養液中に糖化Fe剤を加えた群を作成しFe剤による骨軟化症の成因過程の解析も試みた。試料をグルタール固定液にて固定、未脱灰でEpon包埋し、エチレングリコール上で極超薄切片(30nm)を作成。電子エネルギー損失分光分析電子顕微鏡(EM-902,Carl Zeiss)にて元素の吸収スペクトルと電子分光観察法を用いた元素の電子顕微鏡写真へのマッピング像を作成し、光磁気ディスクに画像情報として保存した。(結果と考察)培養液に糖化鉄を加えると、加えた糖化鉄の濃度に依存して培養頭頂骨への^<45>Caの取り込みが低下したことから明らかなように、過剰な鉄剤は、骨形成を抑制した。Eectron Spectroscopic ImagingやEectron Energy Loss Spectrumによる検索の結果、骨組織中のFeの局在は膠原線維表面および骨からやや離れた細胞の細胞質中に認められたが、Feが局在する部位にはCaの局在は認められなかった。このことから鉄剤は膠原線維に付着しCaの沈着を阻害するとともに、細胞に取り込まれることによって細胞機能にも影響を及ぼし骨形成不全を引き起こす可能性が示唆された。鉄剤による骨形成不全症を解明するために、糖化鉄剤を添加培養したマウス胎仔頭頂骨を電子分光型電子顕微鏡(EM-902,Carl Zeiss)を用いて検索したが、ESI像やEELSスペクトラムによる解析は鉄剤の骨形成に及ぼす影響を電顕レベルで微細構造学的に直接検索することを可能とし非常に有効な手法であった。
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