環状構造を有する免疫抑制剤のコンフォメーション制御機構の解明
Project/Area Number |
08877319
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
多賀 徹 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00025694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 治 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (10231599)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 免疫抑制剤 / 環状分子コンフォメーション / モンテカルロシミュレーション |
Research Abstract |
大環状構造を有する分子である免疫抑制剤FK506やシクロスポリンAのコンフォメーションは遊離の状態と蛋白質との複合体を形成した状態とで異なる。この環状構造の変化の解析は制御機構の解明にとって重要であり、そのため、経験的ポテンシャル関数を使ったモンテカルロシミュレーションプログラムを開発し、遊離型、結合型のコンフォメーションの違いの詳細な検討をおこなってきた。環状分子の初期構造座標をコンピュータ上で設定した後、それらの構造を分子シミュレーションにより検討した結果、両構造に対し合理的エネルギー分布が得られ、孤立分子として比較的安定なローカル構造であることが分かった.しかし側鎖のねじれ角の分布に大きな違いがある場合があるなど、溶媒の影響を受けやすい側鎖が存在し、環状構造の変化にたいする溶媒水分の役割の重要性が明らかになった。そこで分子のコンフォメーションにたいする結合水分子の影響をペプチドや糖鎖など水分子結合構造のX線結晶構造解析により検討した。また新たに開発したプログラムを用いた理論計算によりFK506結合蛋白質複合体の結晶構造中で蛋白質に強く結合する水構造の予測計算をおこなった。理論的に予測された水はProtein Data Bank中の結晶構造中の実測の水と良い一致を示したが、これらの結果は環状分子構造変化に対する水分子の役割を考える重要な手がかりを与えるものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)