チトクロームP450の生体内機能を直接的に証明する新しいアプローチ
Project/Area Number |
08877323
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐久間 勉 富山医科薬科大学, 薬学部, 助手 (30250468)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | トランスジェニックマウス / HITECマウス / CYP3A7 / 変移原性 / 変異原性 |
Research Abstract |
チトクロームP450は時として反応性の高い活性代謝物を生成させ細胞内の高分子化合物に障害を引き起こす。特にDNAへの結合については化学発がんのイニシエーションの1つの機構と推測されている。しかし、この様な知見は、生体内で直接的に証明されたものではなかった。そこで本研究ではヒトCYP3A7を発現するトランスジェニックマウスと、染色体内に大腸菌で優性のストレプトマイシン感受性を伝達するrpsL遺伝子を組み込んだHITECマウスを交配することにより、ヒトP450を発現するHITECマウスを作出し、P450によって生成された活性代謝物による遺伝子損傷をin vivoの試験系で検出することによって、ヒトP450の機能を生体内で立証することを目的とした。昨年度は試験に用いるマウスの作出を行い、さらにCYP3A7の主要な発現臓器である肝臓について検討を実施した。そこで本年度は腎臓、小腸、脾臓について検討した。被検物質にはCYP3A7によって活性化されるアフラトキシンB_1(AFB_1)を用いた。腎臓で多くCYP3A7を発現している系統(M2)を用いた検討により、腎臓においてCYP3A7によってAFB_1が活性化され、対照群に比べ高い頻度で遺伝子損傷を受けることが確認された。同様に小腸で多くCYP3A7を発現しているM10系を用いたところ、有為な遺伝子損傷の頻度上昇が観察された。一方、脾臓でCYP3A7mRNAが多く発現している系統(M10系)を用いた検討では、AFB_1による有為な遺伝子損傷の頻度上昇は観察されなかった。これは、AFB_1が脾臓にあまり分布しないことと、脾臓におけるCYP3A7の発現がタンパク質レベルでは高くないという2つの理由によって説明できる。以上の結果はP450の機能を生体内で確認できたことを意味し、本研究の第一の目的は達成されたと考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)