Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
(1) 前年度開発に着手した手指の動きの大きさや速度、顎、目、口などの動きを検出する手法を改良し、手話文の構造や対話状況におけるこれらの動きを観察する手法を開発した。しかし、顔を斜めに傾けた場合や、めがねやひげなどのある場合、たが顔にかぶさるような手話動作に対しては今後の課題として残された。また、NTSCのような通常のビデオ条件下で、上半身を写す場合の視線検出も今後の課題である。(2) 同じ手話単語の系列でも、手話の抑揚が異なると意味が異なる例が確認された。たとえば、「私」「弟」という手話単語が並ぶ場合、両者の間でうなずいたり、後者が体の外側で表現さらた場合は「私と弟」、うなずきが無く、体の前で後者が表現された場合は「私の弟」となる。このように、抑揚に意味表現が異なる場合の機械処理手法や、記述手法の開発は今後の手話処理の研究にとって重要な研究課題である。また、早い手話表現では、音声の場合のように怠けが起こるとは限らず、むしろ表現が大きくなる例があるなどの新しい知見がえられた。副詞的表現も動作の大きさや回数など抑揚によりあらわす場合が多いことも確認された。(3) 今後、これらの新しい課題を手がかりに手話の工学的研究開発を進めて行く計画である。
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