Project/Area Number |
08878069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental dynamic analysis
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 眞人 名古屋大学, 農学部, 教授 (20092190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 彰 名古屋大学, 農学部, 助手 (50231098)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | メタン酸化 / 嫌気条件 / 水田 / イオウ化合物 / 硫酸還元菌 / ^<13>CH_4 / ^<13>CO_2 / 有機化 / 水田土壌 / 地球温暖化 / メタン / 嫌気的分解 / 酸化剤 / 硫酸還元 / 同位体 / メタン酸化菌 |
Research Abstract |
1)水田のモデルとして作成した湛水土壌カラム中で約20%のメタンの消費が観察された。この消費が嫌気的メタン酸化に起因すると仮定すると、同位体分別により、反応後に重い(δ^<13>CH_4値の高い)メタンが残存すると仮定される。そこで、反応前後のδ^<13>CH_4値を比較したが、酸化後のδ^<13>CH_4値の上昇は観察されなかった。 2)メタン酸化量の把握のため、^<13>CH_4を用いたトレーサー実験を行った。湛水土壌カラム中で透水培養した土壌に^<13>CH_4を添加し、嫌気条件下した結果、メタンの酸化生成物^<13>CO_2が検出された。なお、^<13>CO_2の生成がオートクレーブ殺菌した土壌では認められなかったことから、^<13>CO_2生成が生物的過程であると判断された。メタン酸化活性は8×10^<-3>L/d/g土壌以上と計算された。この活性結果は、最初の実験において観察されたメタン消失量のわずか1.2%に相当するものであり、嫌気的条件下で通常認められるメタンの消失現象には、メタンの二酸化炭素への酸化過程のほか、有機物への変換過程が介在するものと結論された。 3)作土、心土中での嫌気的メタン酸化を促進する土壌条件を解明するため、嫌気的呼吸の電子受容体であるMnO_2,Fe(OH)_3,S,Fe_2(S04)_3,CaSO_4を添加しその効果を比較した結果、作土、心土ともイオウ化合物を添加した処理区でメタン酸化の促進が観察された。本結果より、メタン酸化に関与する微生物群としてイオウ還元菌、硫酸還元菌の関与が示唆された。 4)以上の結果より、水田から発生するメタンフラックスの低減には、メタン生成を抑制するばかりでなく、嫌気的メタン酸化を促進するイオウ化合物の代謝に関与する微生物の活用が有効であると推定された。
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