放射性廃棄物処分地におけるアメリシウムの吸着材としての生物源燐酸塩に関する研究
Project/Area Number |
08878075
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
環境保全
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
豊田 和弘 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (10207649)
|
Project Period (FY) |
1996 – 1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | バイオミネラリゼーション / アメリシウム / 希土類元素 / 放射性廃棄物 / アクチノイド / 吸着 / リン酸塩 |
Research Abstract |
本研究は、現在問題になっている放射性廃棄物中のアクチノイドの除去材としての生物源リン酸塩の有用性について検討している。ただし、現段階ではアクチノイドと化学的性質が類似している希土類元素を用いている。堆積物中の生物源リン酸塩にはしばしば希土類元素を濃縮しているが、これは堆積物中で有機物が分解後、リン酸塩中のカルシウムが希土類元素に置換されて濃縮されていると考えられる。そこで、本研究では食用の魚の骨片を水酸化カリウム溶液、エチレンジアミン溶液または次亜塩素酸ナトリウム溶液という3つの試薬で処理して有機物を除去した後、吸着剤として使用した。これらの試料片約10〜20mgをそれぞれ0.015〜1.5ppmの希土類元素を含んだ人工海水溶液3mlに3〜7日間室温にて液浸した。各試料を純水中で超音波洗浄後、25℃で乾燥させ、中性子放射化分析を行い、吸着された希土類元素の量を測定した。吸着量はどの吸着剤においても液浸日数に対して増加する傾向にあった。これらの試料はユーロピウム以外の希土類元素についても同様の強い吸着能力を示した。太平化学社製の合成リン酸カルシウム(球形HAP)も生物源リン酸塩と同様に希土類元素に対して強い吸着能力を示し、粒径が小さな試料がより高い吸着能力を示す傾向のあることがわかった。 次に、ネオジムについて、球形HAPと球形FAP(合成フロロリン酸カルシウム)の吸着速度と吸着容量を比較すると、前者のほうがはるかに速度や容量ともに早い。球形HAP1gあたりネオジムの吸着容量は131mgと大変大きい。また、溶液中のネオジムが吸着されて濃度が低くなるのと反対に溶液中のカルシウムの濃度が増加し、ネオジムと置換する様子が観察された。ネオジムとカルシウムの比は2対3ではなく、1対2であることから、水酸基や溶液中のナトリウムなどの陽イオンも置換反応に関与していることが示唆された。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)