Project/Area Number |
08878086
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小田 順一 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平竹 潤 京都大学, 化学研究所, 助教授 (80199075)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1996: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 抗体触媒 / 化学発光 / ジオキセタン / β脱離 / 遷移状態アナログ / 発光性人工タンパク質 |
Research Abstract |
本研究は、化学発光を触媒するモノクローナル抗体を作製し、超高感度なイムノアッセイやマーカータンパクとして遺伝子工学に広く応用できる操作性を備えた新しいタイプの発光性人工タンパク質を作り出すことを目的としたものである。まず、抗体に触媒させる化学発光として、発光効率が高くしかも持続性の化学発光を示すジオキセタンの熱分解に注目し、βシアノエチル炭酸エステルを保護基とし、立体的にかさ高いアダマンチルフェニルジオキセタン誘導体を7ステップで合成した。この化合物は、アンモニアなどのアルカリ処理によりβ脱離をおこし、持続性の化学発光を開始することを確かめた。さて、このβシアノエチル炭酸エステルをβ脱離により切断し、ジオキセタンの分解による化学発光を誘発する活性を持った抗体を作製するために、β位プロトンを引き抜きアンチ脱離を触媒する塩基性官能基を誘導する目的で、β脱離の遷移状態アナログとなるトロパン骨格を有するハプテンを13ステップで合成した。得られたハプテンとKLHとの複合体を用いてBALB-cマウスを免疫し、通常のハイブリドーマ法を用いてハプテンに特異的なモノクローナル抗体を産生するクローン54種類を得た。それぞれのクローンを大量培養し、培養上清からそれぞれのモノクローナル抗体を精製し、先に合成したアダマンチルフェニルジオキセタン誘導体を基質に、ルミノメーターを用いた発光アッセイに供したところ、いずれの抗体も発光活性は認められなかった。このことは、用いたハプテンによっては、シアノエチル基を切断する抗体を誘導することができなかったことを示している。そこで、同じハプテンを用いた新たな免疫を断念し、発光反応そのものをジアリールシュウ酸エステルを用いた過シュウ酸エステル化学発光反応に変え、従来から使用例の多いリン酸エステル系のハプテンを合成し、シュウ酸エステルの加過酸化水素分解による化学発光を触媒する抗体を作製中である。
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