末端酸化酵素を用いた膜エネルギー変換機構の可視化による解析
Project/Area Number |
08878097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
茂木 立志 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (90219965)
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 末端酸化酵素 / エネルギー変換 / 生体膜 / プロトンポンプ / 酸性残基 / 時間分解計測 / 電子伝達 / 大腸菌 / 分子プローブ / 可視化 / 分光学 / 時間分解 |
Research Abstract |
遺伝子操作や大量調製が容易な大腸菌チトクロムbo型ユビキノール酸化酵素を呼吸鎖末端酸化酵素のモデル系として酸化還元共役プロトンポンプ機構(膜エネルギー変換機構)の分子生理学的研究を進め、以下の研究成果を得た。1)プロトン輸送や電子移動の素過程を解析するために、前年度作成したシステイン残基フリー酵素を出発材料としてサブユニットI分子表面に新たにユニークなシステイン残基を導入した変異酵素を作成した。2)還元型酵素と分子状酸素との反応を吸収変化として時間分解計測し、高親和性キノン結合部位が分子内での電子伝達の媒介に必須であることを明らかにした。また、新たに同定した特異的阻害剤(置換フエノール類)を用いることにより各素過程を個別に解析することが可能になった。3)光励起性プローブとしてリボフラビンを利用した光還元反応におよぼすシアンa効果を解析し、bo型ユビキノール酸化酵素と蛋白ファミリーの異なるbd型ユビキノール酸化酵素では酸性賛成残基の解離または水素結合状態の動態が異なることを見い出した。4)発現ベクターとサブユニットIの解離性および芳香族残基の変異体を作成した。ヘリックス6のグルタミン酸286は近傍の複核中心での酸化還元レベルを感知してプロトン輸送に関与していることを示唆する結果を得た。チロシン288等は複核中心の構築や局所的な電子移動に関与している可能性が示された。今後、分光学的手法に加えて光電圧変化としてプロトン・電子の輸送過程を追跡・解析することにより、酸化還元共役プロトンポンプ機構の全体像を解明できるものと期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)