GFP蛍光による線虫RNA結合蛋白質の網羅的発現部位解析手法の確立
Project/Area Number |
08878114
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 博 神戸大学, 理学部, 助教授 (00187048)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 線虫 / ゲノムデータベース / GFP蛍光 / RNA結合蛋白質 |
Research Abstract |
本研究においては、蓄積しつつあるデータベースを利用して線虫ゲノムに存在するRRM型のRNA結合蛋白質遺伝子を網羅的に検索し、そのプロモーターを含む上流域を予測し、green fluorescent protein(GFP)との融合遺伝子を作製し、蛍光観察による発現部位解析手法の確立を試みた。この方法論を確立するために、検索された20種類以上のRRM型遺伝子の中から3種類を選び、GFPをレポーターとする方法とLacZをレポーターとする従来法の両方の発現解析を行い、その結果を比較検討した結果、以下のような知見が得られた。1.ヒトのスプライシング因子SRP20と類似の線虫C33H5.12蛋白質は、主に卵と特定の筋肉細胞で発現していること、2.神経細胞に特異的に発現するヒトのHuD蛋白質と類似のF35H8.5蛋白質は、予想されたように特定の神経細胞で発現していること、3.XenopusのNrp1-Bと類似のR10E9.1蛋白質は、一部腸細胞でも発現が認められたが、F35H8.5蛋白質と同様に主に神経細胞において発現していること、などが明らかになった。上記2及び3の結果は、高等動物における両相同蛋白質の発現様式にきわめて類似するものであり、今後線虫を用いた発現調節様式や機能解析がその他の生物についても充分適用できるものであることを強く示唆した。さらに、上記1の結果のようにSRP20と類似の線虫C33H5.12蛋白質がスプライシング基本因子と推定されるにもかかわらず組織特異的発現を示したことは、高等動物におけるスプライシング制御機構解明に新たな知見を与えるものとして重要であると考えられる。また、LacZとGFPの解析結果が必ずしも完全に一致しないことも明らかになり、GFPによる解析法をさらに改良するためのいくつかの問題点の検討も行った。
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Report
(1 results)
Research Products
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