レポーター発現を指標とした幹細胞の単離と細胞特性の解析
Project/Area Number |
08878138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
阿部 訓也 熊本大学, 医学部, 助教授 (40240915)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 始原生殖細胞 / 神経冠細胞 / 幹細胞 / 多文化能 / トランスジェニックマウス / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
始原生殖細胞(PGC)、神経冠細胞ともに幹細胞的性質を有し、多文化能を保持しつつ胚体内を移動し、行き着いた先の微少環境に応じて、PGCは生殖細胞に、神経冠細胞は神経組織、間葉系、内分泌組織などに分化する。これらの細胞の多文化能の維持、或いは各種の細胞への分化の機構は、未だ遺伝子レベルでは明らかではない。これはこの種の幹細胞は胚発生時に少数しか存在せず、単離も困難なため、直接そこに発現する遺伝子群を解析する段階まで至っていないことに起因すると思われる.そこで何らかの方法でこれらの細胞をマークし、単離した後、様々な角度から解析を行うことが重要と考えられる。そこで本研究では、まずマウスPGCを純化・単離する技術を確立することを目標とし実験を行った。具体的にはPGCのマーカーであるアルカリフォスファターゼ遺伝子をlacZ(大腸菌β-ガラクトシダーゼ)遺伝子で置換したTNAP(組織非特異型アルカリフォスファターゼ)ノックアウトマウスを用い、lacZ発現を指標としてPGCを分離、純化する方法を開発した.すなわち、PGCを含む胚体組織を解離し、細胞懸濁液を得、これにβ-ガラクトシダーゼの蛍光基質であるFDGを細胞内を取り込ませ、セルソーターを用いてlacZ陽性細胞を検出、単離するというものである.lacZ陽性を示す細胞がPGCであることを確かめるため、単離した蛍光陽性の細胞に対していくつかのPGCマーカーによる染色を行った。まずアルカリフォスファターゼ染色をのすると蛍光陽性細胞の95^〜98%が染色されることが判明した。染色される細胞は、典型的な始原生殖細胞の形態を持つことが確かめられた。また、PGCの増殖に必須なチロシンキナーゼであるc-Kitの抗体で染めたところ、やはり^〜98%の細胞が染色された。これらの結果より、今回用いた手法により、PGCを従来の方法では得ることできなかった非常に高い純度で単離することができることが明らかになった。また、神経冠細胞においてレポーター遺伝子を発現するトランスジェニックマウスを樹立し、このマウスでは移動期以降の神経冠細胞、或いはそれに由来する組織を特異的にマークすることができることを示した.この系統を利用し、神経冠細胞の細胞系譜解析や上記の技術を利用しての神経冠細胞の単離実験を行っている.
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)