Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1996: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
早発性家族性アルツハイマー病の原因遺伝子としてS182(14q24.3),STM2(1q31.42),E5-1(1q31.42)がクローニングされ,同疾患の発症はこれら遺伝子内に頻発する変異に直接起因することが明らかとなった。脳神経細胞において重要な役割を果たしていると考えられるS182/STM2/E5-1遺伝子産物(プレセニリン)の生化学的基本特性および生理機能の検索を試みた。プレセニリン1および2について特異的な高抗原領域をコンピューター予測し,抗原ペプチドを合成し,4種の抗体を作製した。いずれの抗体もプレセニリン抗原に特異的であり,抗体価も十分であった。神経芽腫細胞,神経膠芽腫細胞,神経星状細胞をはじめとする各種ヒト培養細胞について^<32>P/^<35>S-Metで培養標識した後,免疫沈降を行い発現を調べた。プレセニリン1,2の細胞内発現はいずれの細胞においても非常に少なく,細胞内リン酸化も受けないことが明らかとなった。また,プレセニリン抗体免疫沈降複合体に付随するプロテインキナーゼ活性は検出されなかった。極微量タンパク質プレセニリンの機能解析にあたり,プレセニリンcDNAトランスフェクション/ステーブルトランスフォーマントのクローニングを行いつつある。これら早発性家族性アルツハイマー病の研究過程で,アルツハイマーアミロイド前駆体タンパク質(APP)に付随するプロテインキナーゼ活性を見出し,このAPP結合タンパク質cDNAを酵母ツ-ハイブリッド法にてクローニングした。このタンパク質は細胞外,膜貫通,細胞質内領域から構成されるレセプター様タンパク質で,膜上に局在することが明らかとなった。APP付随Pロテインキナーゼは活性化にMn^<2+>/Mg^<2+>を要求し,Ser/Thrキナーゼであった。現在,神経細胞アポトーシスにおける生理的役割を検索解析中である。また,アポトーシスにおいて重要な役割をするPARPの細胞内リン酸化も見出した。今後,神経細胞アポトーシスシグナルトランスダクションの分子機構を,プレセリニン,APP結合キナーゼに注目し,解明していきたい。
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