Research Project
Grant-in-Aid for Exploratory Research
神経突起内の微小管に結合する蛋白、tauの全長およびtauのうち微小管に結合するドメインの部分(taUBD)の遺伝子をそれそれ蛍光蛋白、Enhanced Green Fluorescent Protein(EGFP)のそれに繋いだ融合遺伝子、tau-EGFpおよびtauBD-EGFPを構築した。これらをマウスのヒートショック蛋白、hsp68遺伝子のプロモーター下流に繋いだコンストラクトをトランス遺伝子としてゼブラフィッシュ受精卵のマイクロインジェクションした後、熱ショックを加えることでレポーター遺伝子の発現を誘導して、24時間胚の初期神経回路を形成する神経細胞全体の形態の観察に成功している。特にtauBD-EGFPが神経細胞の微細構造の観察に非常に有効であることを証明した。さらに、このEGFPの代わりにEGFPの新たな変異体であるEnhanced Yellow Fluorescent Protein(EYFP)とEnhanced Cyan Fluorescent Protein(ECFP)を、異なる神経細胞の標識に用いようと考え、オリンパス光学工業株式会社との共同研究によってEYFPとECFPの両者の蛍光を分離できる顕微鏡フィルターの開発に成功した。次にこの両者を免疫組織学的に識別できるようにECFPにはエビトーブタグを繋ぐことを考えた。6xHisおよびFLAGをECFPに繋いだレポーター遺伝子をゼブラフィッシュの胚で一過性に発現させたところ、6xHis-ECFPは蛍光強度が弱いのに対して、FLAG-ECFPはその波長特性が変化せず、蛍光強度が十分強いたけでなく、個体発生に及ぼす影響も認められなかった。このことからEYFPとFLAG-ECFPは蛍光のみならず、免疫組織学的にも互いに区別できる大変有用なレポーター遺伝子であることを明らかにした。
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