Project/Area Number |
08878164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 徹 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (80261361)
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Project Period (FY) |
1996
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Keywords | MRI / 磁気共鳴 / ファンクショナルMRI / 脳血行動態 / 近赤外分光 / BOLD |
Research Abstract |
本研究は、脳の賦活領域を画像化するファンクショナルMRIの発現機序となる様々な脳血行動態を明らかにし脳機能研究をさらに高次化するための基礎研究である。本研究の目的は、動物実験においてMRIに近赤外測定を同時に併用することで、MRI信号強度に関する基礎要因である血流、血管体積、血中酸素飽和度などの変化を定量的に解析することである。 動物用MRIに近赤外分光装置を装荷し同時測定を行うシステムを作成し、ラット頭部測定における磁気共鳴および近赤外分光のローブ形状、位置、さらに撮像パラメータの最適化を行った。その測定系においてラットを用い呼気ガスを制御することで脳血行動態を広い範囲に渡り変化させ測定を行い、特に静脈洞のMRI信号強度にも注目した新たな測定法を確立することで動静脈分布のMRI信号強度変化に対する影響を初めて定量的に示した。その結果、例えばラットの皮質及び基底核での動脈と静脈の体積比が1:9であることが明らかになった。また、生理的条件下では近赤外分光から求まる脱酸素化ヘモグロビン量変化が確かに定量的なmodel式に従いMRI信号強度に影響していることを明らかにし、近赤外分光のfMRIとの同時測定への応用の確固たる基礎を確立した。本研究で予定したラットの刺激応答に関連する局在的な脳血行動態の測定までは到らなかったが、今後は本方法を人の脳血行動態測定に早急に応用し、従来のfMRIの単純な発現機序とされているover compensation model(賦活により脳血流が上昇し、それにより静脈中の脱酸素化ヘモグロビン濃度が低下する)では説明できない複雑な脳血行動態を解明して行きたい。
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