Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
|
Research Abstract |
1.既報に従い,磁性ナノ粒子(MNPs)は鉄塩の混合からの共沈法により調製した。MNPs/ポリマーナノコンポジット(NC)ゲル(M-Pゲル)は,MNPsが混在した反応溶液中での重合反応により調製された。さらに,磁場中で重合することにより様々なMNPsの傾斜分布をもつゲル(M-P-Gゲル)の調製に成功した。 2.M-Pゲルの機械的強度は島津製作所のEZ-Lにより測定し,MNPsが含まれていないNCゲルとの比較を行った。その結果,NCゲルとほぼ同じ強度,伸縮率を示すことが確認された(50~300kPa,800~1400%)。 3.M-Pゲルの磁気特性は,VSMにより測定した。M-Pゲルは超常磁性を示し,約2emu/gで飽和点に達した。また,膨潤度はクレイの含有量が多いほど低くなることが確認された。 4.M-P-Gゲルを基準とし,2層に分かれたゲル(上層がNCゲル,下層がM-Pゲル)を調製した。調製したゲルは,一定の刺激条件下(温度など)で双方向性の曲がりを示す非常に面白い現象を示した。 5.上記の結果に加えて,既存のクレイ/PNIPAM NCゲルにポリエチレングリコール(PEG)を導入して,3成分系NCゲル(クレイ/PMPAM/PEG)の調製に成功した。調製したゲルは,上限臨界完溶温度(UCST)と下限臨界共溶温度(LCST)の2つの温度応答性相転移を示すことを確認した。 本研究によって作製されたM-Pゲルは,磁気アクチュエータなどに利用可能であり,さらに,多層のゲルにおいては,自由に変形可能であることから広い分野での応用が可能であると考えられる。また,新規の3成分系NCゲルにおいては,2つの相転移と3つの状態変化から,光学センサーなどへの応用が期待される。
|