Project/Area Number |
08F08402
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 勝久 京都大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIANGENG Meng 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
MENG Xiangeng 京都大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ランダムレーザー / 金属微粒子 / 表面プラズモン / コアシェル構造 / エネルギー移動 / 金属ナノ構造 |
Research Abstract |
光の波長程度またはそれ以下の大きさを持つ粒子がランダムに分散した系に光が入射すると、光は多重散乱により媒質内で干渉し、色素のような発光を示す分子が系に含まれる場合、その発光強度は増幅され、レーザー発振に至る。従来、このようなランダムレーザーの散乱体としてTiO_2やSiO_2などの誘電体微粒子が知られていたが、2008年に研究代表者は金属微粒子(Ag)を散乱体として使用し、ランダムレーザー発振を報告した。金属微粒子は誘電体微粒子よりも散乱強度が強く、表面プラズモンの効果により発光が強くなるため、ランダムレーザーへの応用において有効である。近年、微粒子に他の物質をコーティングしたコアシェル型微粒子の研究も行われており、新しい物性の発現が期待されている。 本研究では、Ag微粒子を様々な厚さのSiO_2でコーティングしたコアシェル型微粒子(Ag@SiO_2)を作製し、それらをローダミン6Gのエタノール溶液に分散させて、シェルの厚さの違いによるランダムレーザーの発振特性の違いを調べた。Nd^<3+>:YAGレーザー(2倍波:532nm)を励起光として発光スペクトルを測定したところ、Ag@SiO_2コアシェル型微粒子はAg微粒子に比べて強い発光を示した。ランダムレーザー発振に関しては、シェルが厚くするにつれてレーザー発振の閾値は低下し、シェルの厚さが約2nmのときに最小となった。シェルの厚さがさらに増加するとレーザー発振の閾値は増加した。この現象に対する説明として、シェルが厚くなるにつれて色素から微粒子へのエネルギーの移動が起こりにくくなり発光が強くなる一方、シェルが厚くなりすぎると表面プラズモンによる電場増強が弱くなり、色素の励起効率が低下することが考えられる。本研究の実験結果は表面プラズモンを利用して光の誘導放出が制御できることを示唆しており、光制御技術の新しい展開が期待される。
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