電場作用下の電極/水界面反応過程の第一原理分子動力学解析
Project/Area Number |
08F08783
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅野 宜崇 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
TOMBA Giulia 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 密度汎関数法 / 第一原理解析 / 分子動力学法 / 電極 / 溶媒界面 / 吸着分子 / 電場 |
Research Abstract |
今年度は,白金表面上の水分子二層について,外部電場が無い場合とある場合のケースを調べた.まず水単分子の吸着特性を正しく再現する計算条件(セルサイズ,k点等)を決定した後,白金表面を覆う水分子層を調べた.水分子が二重層として吸着する構造は文献とよく一致し,H-upとH-downの2種類の構造があり,H-downが比較的安定であることを確認した.次に,様々な強さの外部電場に対してH-down構造吸着分子がどのように変化するかを調べた.鋸型ポテンシャルをセルにかけることで外部電場を模擬し,0.1Vから0.4Vの電場をかけた.低い電圧ではほとんど構造に変化は無かったが,0.4Vの電圧では大きな変化が現れた.下側の水分子は表面側に引き寄せられ,二重層の水素結合ネットワークを乱れさせることが動的シミュレーション過程で分かった.結果的に,水分子は表面に対して回転しH-up構造のような水素結合ネットワークを形成した.この変化は,吸着単分子層が疎水性から親水性へ遷移したことを示し,実験事実と整合している. 本研究で用いた第一原理計算は定量的に良い結果を与えるが,動的過程におけるポテンシャルプロファイルの解析の結果,この系のシミュレーションには注意が必要であることがわかった.すなわち,吸着二重分子層によってセル内に電気双極子が誘起されポテンシャル場を形成し,分子層構造の変化によりこのポテンシャル場が変化するという問題がある.これは,系が感じている有効バイアス電場はシミュレーション開始時に設定したものから変化することを意味する.そのため,より正確には電場ではなく電束密度を一定に保つシミュレーションを行う必要がある.本年度後半はそのための計算ソフトウェア開発を行った.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)