Project/Area Number |
08J01549
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic analysis
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 格 Kyushu University, 数理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 準相対論的Pauli-Fierzモデル / Bernstein関数 / 準相対論的Nelsonモデル / スペクトル解析 |
Research Abstract |
平成20年度は廣島文生氏(九州大学)とともに次の2つの研究を行った:(1)準相対論的Pauli-Fierzモデルのスペクトル解析、(2)準相対綸的Nelsonモデルのスペクトル解析。研究目標はそれらの系のハミルトニアンの基底状熊の存在をしかるべき条件のもとで証明することであった。非相対論的なモデルであるNelsonモデルやPauli-Fierzモデルの基底状態の存在についてはほとんど解明されており十分な結果が得られていたが、それらのモデルに含まれているSchrodinger作用素を準相対論的な作用素で置き換えた(1)(2)のモデルのハミルトニアンについてはほとんど解析されていなかった。我々はさらに粒子の運動エネルギーをBernstein関数に置き換えるという一般化を行い-これは非相対論的なハミルトニアンと串相対論的なハミルトニアンを含んでいる-これらのモデルを統一的に考察した。我々の考察によれば運動エネルギーをBernstein関数に置き換える一般化は作用素論的・確率論的に自然であり、非相対論的なモデルで得られていた多くの性質をより一般的な見地から証明することができた。 (2)のモデルに対してはすべての結合定数と紫外切断の値に対して次の(a)-(d)の性質を証明することによって基底状態の存在を示した:(a)Binding conditionと呼ばれる最小エネルギーに対する不等式、(b)ボース場が質量m>0を持つと仮定した場合のlocalization estimate,(c)ボース場が質量m>0を持つ場合の基底状熊のBoson Number bound、(d)ボース場が質量mを持つ場合の基底状態のExponential Decay、(d)無質量極限(m→+0)での基底状態の強収束。また(1)のモデルに対しては粒子の質量が小さい場合に上記の条件(a)の性質示し、条件(b)-(d)についてはすべての結合定数に対して証明することができた。したがって(2)のモデルの基底状態の存在は満足のいく形で証明されたといえる。そして(1)のモデルについては(a)の条件以外については満足のいく性質を導けたと考えてよい。これらの解析に対で特筆すべき小はnon-local作用素に対して上記の条件をすべての結合定数に対して評価できたことである、またnon-local作用素に対して(d)のExponential Decayを証明することは難しく、この問題はLevy Processによる確率論的表示を用いた方法によって解決された。
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