Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本年度はFe_3Si/Geヘテロ構造の幅広いデバイス応用を視野に入れ,Fe_3Si/Ge/Fe_3Si/Ge(111)エピタキシャル積層構造を形成する技術の確立を日指し研究を推進してきた.先ずFe_3Si薄膜上のGe薄膜の成長温度の上限を検討するためた,Fe_3Si/Ge(111)ヘテロ構造の熱安定性を評価した.Fe_3Si/Ge(111)構造を真空中(10^<-3>Pa)でポストアニール(200℃~450℃,30min)を行い,アニール前後の結晶性の変化を評価した.その結果,400℃以下のポストアニールではFe_3Si薄膜内へのGe原子の拡散は観測されず,良好な結晶性を維持していることが判明した.450℃以上のポストアニールではFe原子とGe原子の相互拡散,及びそれに起因する結晶性の劣化が観測された.この結果を参考に,Fe_3Si/Ge(111)ヘテロ構造の上にGe薄膜を高品質エピタキシャル成長させる技術の検討を行った.上部Ge層は400℃で堆積し,in-situ RHEEDを用いて観察を行ったところ,上部Ge原子とFe_3Si表面原子のミキシング反応に起因する異相の形成を示唆するパターンが得られた.そこで成長温度を低温化(200~300℃)を検討した.しかし,多結晶成長していることが判明し,単純に成長温度をパラメータとした検討では最適成長条件は存在しないことが判明した.そこで,界面の急峻性と上部Ge層の高品位化を両立する為に,2段成長法を考案した.これは界面数原子層のみ界面ミキシングの抑制を目的として200℃で低温成長し,その後は400℃で成長させることにより表面マイグレーションを促進する手法である.これにより急峻界面を維持するFe_3Si/Ge/Fe_3Si/Ge多層構造の形成に成功した.
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