Project/Area Number |
08J02065
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nerve anatomy/Neuropathology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 真弓 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 転写因子 / 小脳 / 神経発生 / 下オリーブ核 / 延髄 / 後脳 / 神経上皮ドメイン / Ptf1a / Math1 / マイクロアレイ / 菱脳唇 |
Research Abstract |
中枢神経系に存在する数千種類もの多様な神経細胞が、いかにして分別して生み出されるのかについては未解明の部分が多い。最近、小脳の興奮性、抑制性神経細胞は、それぞれ異なる部位の神経上皮で発現する2種類のbHLH型転写因子AtohlとPtflaによって分別して生み出されるということが明らかにされた。そこで本研究の目的は、小脳以外の脳領域におけるAtohl,Ptflaの働きについて明らかにすることによって小脳で一部明らかにされた神経細胞の多様性獲得機構が、他の脳領域にも適用できる普遍性を持っているのかどうかについて検証することであった。そこで、後脳(rhombomere,r1~8)におけるAtohl,Ptflaの発現を調べたところ、後脳背側部(r1~8)を前後に貫くようにAtohlおよびPtflaを発現する神経上皮ドメインの存在を明らかにすることができた。そして、中央部後脳(r2-5)のAtohl、Ptflaドメインからはそれぞれ蝸牛神経核の興奮性、抑制性神経細胞が生み出され、尾側後脳(r6-8)のAtohl、Ptflaドメインからは小脳へ投射する苔状線維、登上線維神経細胞がそれぞれ生み出されることを明らかにした。さらにそれぞれの神経細胞の発生にはAtohlやPtflaが必要であることも見いだした。つまり、Atohl,Ptflaによる神経細胞の多様性獲得機構が少なくとも後脳において普遍性を持っていることを示すことができた。さらに、子宮内エレクトロポレーション法によって、それぞれの転写因子が神経上皮ドメインの決定因子として作用している可能性を示唆することができた。さらにこれらの実験過程で、PtflaおよびAtohlの間に、相互的遺伝子発現抑制機構があることも明らかにできた。この機構は、境界の鮮明な神経上皮ドメインの構造を作り出すことに関与しているのではないかと考えている。
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