Project/Area Number |
08J02691
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大塚 紀弘 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 中世史 / 仏教史 / 対外関係史 / 日宋・日元貿易 / 仏牙舎利 / 西大寺流 / 出版 / 唐船 / 一切経 / 高山寺 / 宋版 / 宗教史 / 神仏習合 / 春日社 |
Research Abstract |
第1に、日宋・日元の貿易および文化交流に関する研究を行なった。(1)日宋交流史の観点から、日本に請来され、現在も京都市内の寺院に伝わる2つの仏牙舎利の来歴と相承の過程について探った。その結果、平安後期の入宋僧を介して、仏牙信仰が北宋から日本へと展開したことが明らかになった。(2)日宋・日元貿易について、鎌倉幕府の貿易関与に注目して研究を進めた。まず源実朝渡宋説話の展開を貿易の視点から再考し、幕府による貿易使の派遣をめぐる論点を見出した。次に唐物が博多津から京都へと運ばれる過程に焦点を当て、平安後期から鎌倉前期にかけて、京都の領主と博多綱首がどのような関係を築いたかを探った。以上をふまえ、唐物が鎌倉へと運ばれる径路や貿易使の派遣を考察し、鎌倉中期から幕府が唐船による貿易に積極的に関与し始めた実態を明らかにした。 第2に、中世の律家に関する研究を行なった。(1)摂津国における律家の展開について探り、一遍が兵庫津にあった光明福寺という律院で没し、同寺の住持が、現存する一遍墓塔(石造五輪塔)の造立に関与した可能性が高いことを明らかにした。(2)かつて鎌倉極楽寺の末寺であった播磨国の報恩寺(兵庫県加古川市)に注目し、極楽寺流律家の西国への展開について探った。まず西大寺流の山陽地方への展開について確認した上で、報恩寺文書や西大寺末寺帳を基に、西大寺流や極楽寺流の播磨国への展開について考察し、後宇多上皇の協力があったことを明らかにした。また国分寺の興行などに注目し、極楽寺流がどのように西国に末寺を展開させたかを分析した。(3)鎌倉時代の南都における律法興行の実態を把握するため、仏典の出版活動について探った。その結果、西大寺流が興福寺の春日版を積極的に利用していたこと、泉涌寺のみならず、南都や鎌倉の律家でも輸入宋版を利用しており、覆宋版が刊行された可能性が高いことなどが明らかになった。
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