法時間論-法による時間的秩序、および法内在的時間構造に関して
Project/Area Number |
08J04049
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Fundamental law
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
吉良 貴之 一橋大学, 大学院・法学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 現在主義 / 存在論 / 分析形而上学 / 排除的法実証主義 / 証拠 / 法と文学 / 法と映画 / マスキュリニティ / 法概念論 / 時間論 / 法実証主義 / 正統性 / 世代間正義 / 権利論 / 幸福論 / 法時間論 / 法的現在主義 / 時間的秩序 / 予見可能性 / 事実認定 |
Research Abstract |
平成22年度は研究計画の最終年度にあたるため、三年間の研究成果をまとめて文章化するとともに、その具体的・実践的意義を明らかにすることを主な課題とした。英米分析形而上学における時間論の法概念論的意義を見定める作業については、北大法理論研究会など各種研究会で発表するとともに、論文「法時間論-現在主義の法哲学へ」を執筆し、一応の区切りをつけた。平成23年度以降、書籍として公刊し、成果を広く世に問うことを目指す。そこでは、法の役割において社会の時間的秩序構築が第一義的であるという平成21年度までの考察を基礎とし、その存在論的基盤を形而上学的時間論における現在主義と呼ばれる立場に求めた。そして、過去/将来命題を真にするものとしての「証拠」認定プロセスにおいて、法を存在論と認識論の接点に位置付けうる可能性を示し、そこから規範的排除的法実証主義を一定程度修正した法概念論的立場を採用することとした。それによって法を認識論的枠組のみならず、存在論的観点から客観的世界の一部として記述する方向性を示した。 その他、法実践において時間的に移りゆくものとしての視覚的イメージ、特にそのステレオタイプ性のあり方について分析を行い、日本法哲学会ワークショップ「法と文学(Law&Literature)の展望」にて「〈法と映画〉、特にイメージとの関係」と題して報告した0微細なステレオタイプへの警戒が逆により大きなステレオタイプを温存する危険について考察し、「法と文学」が重視する個別的状況への感応性は法実践にとって両義的であることを示した。その成果の一部は論文「マスキュリニティの死後の世界」として発表した(ドゥルシラ・コーネル著、吉良貴之・仲正昌樹監訳『イーストウッドの男たち-マスキュリニティの表象分析』御茶の水書房、2011年)。
|
Report
(3 results)
Research Products
(6 results)
-
[Journal Article]2010
Author(s)
仲正昌樹(編)
-
Journal Title
近代法とその限界(第六章・吉良貴之「私の生の全体に満足するのは誰なのか―Whole Life Satisfaction 説の諸相」)(御茶の水書房)
Pages: 369123-142
Related Report
-
-
-
-
-