Project/Area Number |
08J04413
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
西浦 智博 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | チタンニッケル合金 / 形状記憶合金 / マルテンサイト変態 / 自己調整構造 / 透過電子顕微鏡 / Ti-Ni系合金 / 自己調整 / 双晶 / 一面トレース解析 / 界面構造 |
Research Abstract |
本研究は、Ti-Ni合金の形状記憶・超弾性特性の素構造であるマルテンサイト相の自己調整構造を形態学と結晶学的観点から本質的に解明することを目的とし、以下の成果が得られた。1.本合金マルテンサイト相の自己調整の基本構造は、2つの晶癖面バリアント(第二種双晶関係の格子不変変形)が第一種双晶界面で接したV字構造であることを明らかにした。昨年度、マルテンサイト変態過程の光学顕微鏡観察および母相/マルテンサイト相2相共存試料の透過電子顕微鏡観察結果から、2つの晶癖面バリアント(以下、HPV)が第一種双晶界面で接したV字状に生成することがわかった。そこで、第二種双晶関係からなるHPVについて、2バリアントペアの全ての組み合わせについて第一種双晶関係になるか求め、双晶面(方向)に対しての角度差を計算した。また、2つのバリアントが無歪みで結合するための回転角を計算した。すると、V字構造は唯一双晶関係を満たすための補足回転と無歪み結合のための補足回転が等しく、つまり歪み緩和に最も有利な自己調整構造であることがわかった。2.V字構造を基本とした自己調整構造モデルを提案し、実際に対応する観察結果を得て、HPV間の結晶学的関係を上記1と同様の方法で解析し、バリアントの組み合わせを特定した。3.自己調整構造におけるバリアント間の界面構造を結晶学的に分類・解析し、観察を行った。自己調整構造を構成するHPVの界面構造は、V字構造の界面である第一種双晶界面、V字構造と双晶分率の大きい(Major)バリアントの界面、Majorバリアント同士/双晶分率の小さい(Minor)バリアント同士の界面およびMinorバリアントが一方のMinorバリアントに刺さる界面の4種類に分類できる。これらの界面構造について走査透過電子顕微鏡観察を行い、Majorバリアント同士はほとんど歪みなく(単結晶)接続または第一種双晶面になっており、Minorバリアント同士は界面を形成しないように、細くなるか微細な双晶欠陥を形成していることがわかった。
|