Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
一塩基多型(SNP)のハイスループットな検出を目指して,標的とする2本鎖DNAをAu電極上に固定化して電気化学的にSNPを検出する方法を確立することを目的とした.これまでは,標的2本鎖DNA中に電荷をドープするために2本鎖DNAをアントラキノンで標識して,T:Tミスマッチ塩基対を含む2本鎖DNAとHg(II)イオンとの結合形成の有無,またはC:Cミスマッチ塩基対を含む2本鎖DNAとAg(I)イオンと結合形成の有無を電気化学的に検出しようと試みたが,予想通りの電気化学的応答を得ることができなかった.そこで今年度は,2本鎖DNA中に電荷をドープするアプローチを検討して,2本鎖DNAの5末端側を標識する物質としてアントラキノンの代わりに,電子授受を行う物質として広く用いられているフェロセンを用いる方法を試みた. また,ヘテロデュープレックス法において,従来標的にした糖尿病発症関連遺伝子のT←→A置換およびC←→G置換のSNP以外の様々なSNPを検出可能にするためにT:TおよびC:C以外のミスマッチ塩基対と特異的に結合する新規金属イオンを探索することを目的とした.今年度は,これまでに2本鎖DNAの融解温度(T_m)測定の結果として得られたCu(II)イオンによるG:Aミスマッチ塩基対の安定化が,Cu(II)イオンとG:Aミスマッチ塩基対との特異的結合形成に基づくかを検討した、まず,G:Aミスマッチ塩基対を含む2本鎖DNAとCu(II)イオンとの結合反応における熱力学的パラメーターをITCにより測定した.同様にして,Watson-Crick塩基対のみを含む2本鎖DNAとCu(II)イオンとの結合反応における熱力学的パラメーターをITCにより測定した,そして,G:Aミスマッチ塩基対を含む2本鎖DNAとCu(II)イオンとの結合定数の値とWatson-Chick塩基対のみを含む2本鎖DNAとCu(II)イオンとの結合の結合定数の値を比較したところ,前者の値の方が後者の値よりも約10倍だけ大きな値となった.すなわち,Cu(II)イオンは,Watson-Crick塩基対のみを含む2本鎖DNAよりもG:Aミスマッチ塩基対を含む2本鎖DNAに強く結合するという結果が得られた.
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