Project/Area Number |
08J08328
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Petrology/Mineralogy/Science of ore deposit
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 亜沙美 The University of Tokyo, 物性研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ワズレアイト / 中性子回折 / 放射光X線回折 / 地球深部科学 / 高圧物性 / 含水鉱物 / 水素結合 |
Research Abstract |
オリビン(化学組成:(Mg,Fe)_2SiO_4)の高圧相で、深さ410kmから520km、520kmから670kmでそれぞれマントルの体積にして約60%を占めるリングウッダイトとワズレアイトには、質量比にして最大で約3%もの水が含まれうることが報告されている。無水鉱物中に取り込まれる水素の存在は微量であっても高温高圧下における鉱物の物性に多大なる影響を与え、地球全体の化学的、熱的進化過程の変化へと波及することから特に重要視されてきた。しかしこれまで無水鉱物中の水素結合の状態は赤外吸収スペクトルやラマンスペクトルといった分光学的手法、または水素に対しては感度の低いX線を用いた結晶学的な情報から推定されてきたにすぎない。本研究ではこれまで間接的な情報から議論されてきたこれらの鉱物中の水素の位置を直接決定すること、酸素雰囲気や組成による水素位置への影響を調べることを目的として、中性子回折実験を進める。今年度は高温高圧実験により合成した含水ワズレアイトについて常圧での中性子回折実験を行った。 中性子回折実験用の出発物質は東北大学設置の川井式マルチアンビル型高圧発生装置を用いて合成した。目的の組成になるように混合したオリビン・エンスタタイト・ブルーサイトの粉末を白金または金カプセルに封入し、ワズレアイトの安定領域である17万気圧で1400度付近にて数時間保持した。その際、軽水素は中性子回折実験のバックグラウンドを上げてしまうため、重水素化したマグネシウム水酸化物(ブルーサイト)を出発物質に加えることにより重水素化した試料を合成した。 このようにして合成した含水ワズレアイトについて、フランスInstitut Laue-Langebin内のD20ビームラインにて中性子粉末回折実験を行った。得られた回折パターンについて、現在解析中である。
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