Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
前年度に開発公表した量子モンテカルロ法のためのアルゴリズムを用いて,量子モンテカルロシミュレーションを実装し,計算結果を公表した.まず交付申請書に記載した量子臨界点付近の物理量の振舞について明らかにした.一様系の量子モンテカルロシミュレーションの結果を用いて,量子臨界点における系の有限サイズスケーリングについて明らかにした.注目している量子相転移,モット絶縁体-超流動転移,の上部臨界次元は2であり,本研究では上部臨界次元より上の次元を取り扱っている(3次元系).そのため転移の臨界的振舞は平均場理論のそれと一致する.上部臨界次元より上の次元における有限サイズスケーリングには修正が必要である.このことは有限温度相転移に注目して良く研究され,すでに明らかにされている.この修正された有限サイズスケーリングを注目している量子臨界点に適用し,量子臨界点付近の物理量の有限温度依存性を導出すると,誤った結果が導かれることがわかった.そこで,ボーズハバードモデルをN種類のボゾンを有するモデルに拡張し,Nが無限大の極限を厳密に解析することにより,修正有限サイズスケーリングの厳密な関数と適用範囲を明らかにした.その結果修正有限サイズスケーリングを用いた物理量の有限温度依存性の導出は適用範囲を逸脱していることが明らかになった.次に光学格子を用いた実験系を想定した結果を公表した.実験系はトラップポテンシャルによって非一様な系となっていることが知られている.そこで我々は,非一様な系の実験結果から一様系の相図を決定する方法を提案した.提案した方法を用いて非一様系の量子モンテカルロシミュレーションの結果を解析することにより,一様系の臨界点を見積もることが可能であることを実証した.
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