Project/Area Number |
08J10894
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Particle/Nuclear/Cosmic ray/Astro physics
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research (2009) The University of Tokyo (2008) |
Principal Investigator |
初田 泰之 The Institute of Physical and Chemical Research, 川合理論物理学研究室, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ゲージ / 重力対応 / 可積分系 / 双対性 / AdS / CFT対応 |
Research Abstract |
AdS/CFT対応はゲージ理論と超弦理論の双対性として、10年以上にわたって非常に熱心に研究されてきた。私はこれまでこのようなAdS/CFT対応の中でも最も基本的な例であるN=4超対称Yang-Mills理論と(5次元反ドジッター空間)×(5次元球面)上のIIB型超弦理論の間の双対性を中心に研究を行ってきた。 本年度の研究では、近年発見された新たなAdS/CFT対応の例である3次元N=6超対称Chern-Simons理論と(4次元反ドジッター空間)×(複素3次元射影空間)上のIIA型超弦理論の間の双対性について調べた。この対応の興味深い点は両理論の高い対称性のために可積分性の構造が現れ、摂動論を越えた厳密な解析が可能になることである。我々は可積分系で知られている「ドレッシング法」と呼ばれる方法を用いて、IIA型超弦理論の2次元シグマ模型の運動方程式のマルチ・ソリトン解を構成した。このような解はジャイアント・マグノンと呼ばれており、AdS/CFT対応におけるスペクトラムの解析において非常に重要な役割を果たす。さらに構成したマルチ・ソリトン解を用いてジャイアント・マグノンの散乱行列を計算した。得られた結果は系の対称性から予想されたS行列の強結合極限の結果と完全に一致した。このことはAdS/CFT対応の非自明な検証の例になっており、S行列あるいはスペクトラムの理解において重要な意味を持つと確信している。 またAdS/CFT対応とは別にごく最近発見された4次元N=2超対称ゲージ理論とLiouville理論とよばれる2次元理論の間の双対性についての研究も行った。
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