Project/Area Number |
08NP1601
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Research Category |
Grant-in-Aid for Creative Basic Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kanagawa Academy of Science and Technology |
Principal Investigator |
長倉 三郎 (財)神奈川科学技術アカデミー, 理事長 (30013444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 陽一郎 国際基督教大学, 教養学部, 教授
出口 正之 総合研究大学院大学, 教育研究交流センター, 教授
菊池 誠 東海大学, 工学部, 客員教授
小田 稔 東京情報大学, 学長
伊藤 俊太郎 麗澤大学, 国際経済学部, 教授
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Project Period (FY) |
1996 – 1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1996)
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Keywords | 現代科学の成立と社会 / 現代科学の展開と社会 / 古典科学と現代科学 / わが国の社会と現代科学 / 現代科学の将来 |
Research Abstract |
以下に述べる4項目について調査研究を進め、新しい知見を得ると共に、今後重点的にとりあげるべき問題点を明らかにすることができた。 1.現代科学の成立と社会 17世紀における現代科学の成立以前に、ギリシャ、インド、中国、アラビアで展開された古典科学について、その知的エ-トス、担い手(実施者)、支援するプロモーターに注目して比較検討すると共に、これら古典科学と現代科学との関連について考察した。この問題は、現代科学が西欧社会にのみ成立した原因をその文化的、社会的背景と関連して理解する上で極めて重要であって、キリスト教的自然観、スコラ-哲学、宗教改革、ルネッサンスとの関連など多面的に調査した。 2.現代科学の展開と社会 現代科学の展開の過程を聖俗革命、科学者の集団形成や専門化、科学者の行動規範の変化(マートン的からサービス科学的)などに注目して調査した。また今後の人類の共通規範の確立に科学の果す役割の可能性について検討した。 3.わが国における現代科学の導入・展開と社会 わが国は現代科学を、その本質を深く理解することなく、"道具"として導入し、サービス科学として発展させて大きな成功を収めた。この成功とわが国の文化的、社会的伝統との関連について広い立場から討論した。この問題は、教育を含めて、わが国社会の将来と深く係わっているので、今後、さらに実証的に研究を進める。 4.現代科学の将来と社会 国際的に見た科学活動の歴史的変遷と総合化と複雑系に向う今後の科学の展開の方向からみて、わが国を含む東洋が21世紀における科学活動の中心的役割を果す可能性が指摘された。これは東洋人の思惟形成や文化的、社会的伝統と深く関わっていることが討議された。
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