前方後円墳から考察する大和中央政権と国東地方政権との構造的関連
Project/Area Number |
09204112
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoritsu Women's Junior College |
Principal Investigator |
植木 武 共立女子短期大学, 生活科学科, 教授 (20223448)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岸野 洋久 東京大学, 教育学部, 助教授 (00141987)
梅沢 重昭 群馬大学, 教育学部, 教授 (30232896)
大塚 初重 明治大学, 文学部, 名誉教授 (00061771)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
|
Keywords | 関東前方後円墳 / 中部前方後円墳 / データベース / 数量化III類分析 / クラスター分析 |
Research Abstract |
関東地方に続き、本年度は中部地方(但し、北陸を除く)を含める分析を行った。主軸長70m以上の前方後円墳を対象に、各部計測値の判明している古墳を『前方後円墳集成-中部編』から抽出すると、27例あった。関東地方が79例であったので、両地方総計して106例のクラスター分析と数量化III類分析を行った。 数量化III類の結果は、5例の隔離例を除き、3つの大きなグループに分類された。Iグループは、ほとんどが4世紀築造のもので、ひとつだけ5世紀前半というものもあったが、だいたい古い時期に築造された例ばかりであった。IIグループは、古いものと新しいものとの混合グループで、IIIグループは、少数例を除けば、新しい5世紀後半から6世紀に築造されたものばかりであった。そこで、このクラスター分析の結果を利用して、最近似ペアを抜き出すと、35ペアあった。それを地図上で結んだところ、非常に面白い結果がみられた。愛知県でも南の古墳や和歌山の古墳とペアをなす古墳が静岡や千葉にあり、愛知県の北や岐阜県の古墳とペアをなす古墳が長野や山梨、群馬、茨城にあった。つまり、東海道と東山道にきれいに分かれたのである。このことの意味するところは、同一工人、あるいは同一技術をもつ別の工人が、当時において既に東海道と東山道にわかれて西から東の関東へやってきて古墳の築造にあたった、という点である。 数量化III類の結果は、関東地方のみの結果ほど系時的に形態変化が表れなかったが、それでも、4世紀築造の古い古墳から5世紀、6世紀へと時代が新しくなるにつれ、細長型から前方部の高い古墳へとゆるやかに移行したことが読みとれた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)