近代東アジアにおける中華秩序の変動過程-その現代的意義-
Project/Area Number |
09205101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
古田 和子 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (20173536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 鳳珍 北九州大学, 外国語学部, 助教授 (90254614)
李 廷江 亜細亜大学, 国際関係学部, 教授 (80210813)
平野 健一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (40012463)
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Project Period (FY) |
1996 – 1998
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 近代東アジア / 中華秩序 / 通商ネットワーク |
Research Abstract |
(1)本研究は、19世紀末から20世紀初頭の近代東アジアにおける中華秩序の変動過程を歴史的に分析するものである。近代への移行期を振り返って、中華秩序の変動のプロセスを具体的に探ることは、国民国家の相対化が模索されるなかで、中国ならびにアジアにおける「国民国家」の意味や「地域」の意味を再構成するものとしてその現代的意義は大きい。 (2)本年度は各自の分担領域について引き続き資料収集を行うと同時に、当該領域で研究を進めている研究者を招いて研究交流を行った。第2回研究会は、ソウル大学外交学科、河英善教授の研究グループの来日の機会をとらえて、ソウル大学や世宗研究所の研究者との間で、「日・中・韓三国の19世紀国際化と21世紀世界化」というテーマで意見交換を行った。本年度の成果として、思想史的アプローチによる近代東アジアの比較研究の有効性が確認できたことがあげられる。 (3)経済史的アプローチで昨年度から進めていた歴史的な数量データの入力作業については、1870年代後半から80年代初期にかけて開港した朝鮮半島の開港場への物流データの入力を終えた。ここで明らかになったことは、朝鮮半島の開港場の主力輸入品(イギリス綿布)が、上海から長崎を経由して釜山や仁川などの朝鮮開港場へ再輸出されていたこと、その担い手として、長崎居留の中国人商人が重要な役割を担っていたことである。モノの流れはそれを媒介するヒトの移動をともない、ヒトの移動によって情報が流れるという点で、19世紀後半における東アジアでは、東シナ海や黄河をめぐる活発な地域間関係が成立していたことがわかる。当該期に進んでいた中華秩序の変容は、こうした地域間関係の深まりのなかで進展していたことが再確認できた。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)