近現代中国における企業家精神の系譜と合股的経営体質の連続性
Project/Area Number |
09205201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中井 英基 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (70068758)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 官・商関係 / 華僑企業家 / 清末期工業化 / 華僑政策 / 企業家類型 |
Research Abstract |
本研究は、三年計画で、近現代中国における企業家精神と股〓有限公司(形式は株式会社だが、実態は伝統的な合股組織)の経営体質の有り様を検討しながら、一世紀半に及ぶ中国経済の変動過程とそこでの問題点を究明し、今後の中国経済の発展の条件をさぐることを目的としている。初年度(平成8年)の研究の重点は,伝統農業社会から近代産業社会への移行を目指した中国初期工業化における企業家精神の代表例として張謇兄弟(大生紗廠と通海墾牧公司)を取り上げて検討した。第2年度(平成9年)は清末期の官・商関係と華僑の企業家精神を分析した。この問題を取り上げた理由は、最近の中国において、華僑・華人企業家による活発な合弁・投資活動が、不振を究める国営企業と対照的に注目されたことと関連する。すなわち、華僑・華人の本国における旺盛で果敢な企業家精神は、いつ、どのような条件の下で展開されるのか、その起源を清末期中国に探ることが緊要となってきたのである。研究の結果、(1)まず企業家精神という主体的条件を左右する第一の条件として、官・商関係(政府・政党の官僚と民間の企業家の関係)の在り方が重要であるが、清末期にはこの点について協調と対立という複雑で矛盾した複数レベルの緊張関係があったこと、(2)1893年清朝の華僑政策が従来の鎖国から出入国自由化・海外華僑の保護へと転換し、ここにはじめて華僑の企業活動が制度上可能になったこと、(3)1895年華僑の大物張弼士が、盛宣懐の庇護の下に天津にワイン醸造企業を設立した例を分析、華僑企業家による最初の投資条件を解明したこと、以上の3点検討した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)