Project/Area Number |
09206106
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
徳井 承次 信州大学, 経済学部, 助教授 (90192658)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 対日直接投資 / 研究開発 / 生産性 |
Research Abstract |
本研究の課題は、企業活動のグローバル化の進展が、研究開発活動や生産性で計られる日本企業の活力にどのような影響を与えているかを分析する事である。今年度は、前年度に行った対日直接投資と日本企業の研究開発活動の関係の分析に、説明変数を追求して再推定するとともに、こうした研究開発活動への影響を通じて国内企業の生産性に与える影響を分析した。このために、機械産業の上場企業のパネルデータを作成し分析を行った。 対日直接投資が日本企業の研究開発活動に与える効果の分析では、新たに各企業の経常利益とキャッシュ・フローを財務データから作成し推定式の説明変数に加えて推定を行ったが、対日直接投資が日本企業の研究開発活動を有意に抑制するという結果は変わらなかった。このような研究開発活動への影響は利益減少効果として解釈することができるが、今回の推定式の説明変数には既に当期の経常利益が含まれているので、この効果は来期以降の経常利益の減少予想を通じて働くものと解釈される。その他の説明変数では、経常利益の係数がプラスで有意となり、研究開発資金の外部調達の困難性を示唆しており、このことは対日直接投資が日本企業の研究開発支出に与える影響と整合的である。ただし、こうした対日直接投資の研究開発活動抑制効果の大きさは、やはりさほど大きなものではない。さらに、対日直接投資が日本企業の生産性に与える影響を分析するために、自社と産業全体及び産業内の外資系企業の研究開発支出が企業別の全要素生産性に与える効果を推定した。その結果、自社の研究開発支出はその全要素生産性に対してプラスで有意な効果を持ち、その収益率が28.5%と推定された。しかし予想に反して、産業全体並びに産業内の外資系企業の研究開発支出からの各企業の全要素生産性に対するプラスのスピルオーバー効果は検証されなかった。
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