Project/Area Number |
09207219
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kokugakuin University |
Principal Investigator |
斉藤 こずゑ 国学院大学, 文学部, 教授 (70146736)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | コミュニケーション発達 / 人の指示 / 固有名詞 / 社会的カテゴリ / 個人性認識 / 話者-聴者関係 / 自他の分化 / 指示システム |
Research Abstract |
本研究は9〜11年度の間に複数の観察実験を通して、個人性、感情、言語情報の相互関係を年齢との関係で明らかにすることを目的にした。言語発達研究はさまざまな観点から行われうるが、個人性情報検出能力は当然視され、検討されることが少ない。しかし実際には話者にしろ行為者にしろ、個人の同定は、人の社会的カテゴリーを形成する能力や、自他の分化とも関わる重要な認知能力である。生後すぐから経験し始める話者-聴者関係は、個人性情報検出の基礎となり、発達に伴ってきまざまなレベルでの個人性認識が形成されるものと思われる。先行研究で声質、社会的役割、性別、年齢、母語、既知性などを扱ったので、今回は話者-聴者のマイクロな相互作用行動における話者属性、聴者属性の表出と理解を分析する。話者属性・聴者属性の表出と理解の分析の変数は多様であるが、今回は「人を示す指示のことばreference to person」を規定する要因を検討する。話者の指示表現選択課題に関わる要因として、(1)カテゴリ化と個別化の機能、(2)指示対象領域、(3)個別言語の指示体系、(4)話者/聴者の言語能力、(5)固有名詞優先原理、(6)参与者構造と認知・情報処理上の制約、などが考えられる。子ども集団における指示表現選択課題の特性を、予想される3種の規定因((1)普遍的認知的制約、(2)個別言語の指示システム要因、(3)個人の好みの傾向)について検討した。結果から3要因それぞれの寄与が示され、話者のもつ複数の特性(日本語習得レベル、年齢、好みなど)の相互関係の検討が検討課題として残された。
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