コレステリルエステル転送蛋白遺伝子からみた日本人の起源の研究
Project/Area Number |
09208202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
千葉 仁志 北海道大学, 医学部附属病院, 講師 (70197622)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | コレステリルエステル転送蛋白 / 日本人 / 中国人 / アジア |
Research Abstract |
(研究1)日本人のCETP欠損の原因となる遺伝子型とその頻度。 札幌地区の検診受診者(n=317)を対象にD442G変異とInt14A変異をスクリーニングしたところ、それぞれのincidenceは5.7%と1.3%であった。その他の既知で稀な変異型は高HDL血症者100例からスクリーニングしたが検出されなかったので、一般人口における頻度は極めて稀であると判断されたので、以後は上記の二つの変異型を検討した。 (研究2)CETP遺伝子型の南日本における頻度。 奄美大島住民(n=109)と沖縄住民(検診受診者,n=133)のD442GとInt14Aの頻度を検討したところ、D442Gは札幌と同程度の頻度で検出された。このことは、同変異が日本全体に広く分布している可能性を示唆する。Int14Aは検出されなかった。これについては更に検討数を増やす必要があるが、南日本にはInt14Aは少ない可能性が示唆された。 (研究3)CETP遺伝子の中国における頻度。 北京の検診受診者(n=379)を対象にD442GとInt14Aを検討したところ、D442Gのincidenceは4.2%と、日本の成績と同様の結果を得た。一方、Int14Aは1例も見出されず、これは統計学的に有意に日本より頻度が低いことを示す結果であった。 (研究4)日本および中国の同一変異遺伝子が共通祖先に由来するか。 日本と中国のD442G変異患者について、Intron9のBamHI多型を検討した。その結果、両国の患者でBamHI切断サイトを有する者の頻度は、それぞれの対照群よりも有意に低かった。また、ホモ接合体では必ずBamHIサイト陰性であった。このことは、両国のD442G変異遺伝子が共通の祖先遺伝子に由来することを強く示唆する。 (総括)以上を総合すると、D442G変異は共通祖先に由来し、日本と中国に広く分布するらしい。これに対し、Int14Aは日本では北に偏り、またアジアでは日本に偏っている可能性が示唆された。D442Gに対しては広くアジア全体における分布を、Int14Aに対しては日本国内の詳細な分布を検討することは日本人の起源研究に有用である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)