四面体分子性結晶の圧力誘起金属化・アモルファス化・分子解離
Project/Area Number |
09212210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
浜谷 望 お茶の水女子大学, 理学部, 教授 (70156420)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 分子性結晶 / 圧力誘起アモルファス化 / 圧力誘起分子隔離 |
Research Abstract |
これまでに我々はSnI_4放射光高圧X線回折実験を行い、結晶I(Pa3構造)-(7Gpa)-結晶II-(15Gpa)-アモルファス-(60Gpa)-結晶IIIという新たな構造系列を明らかにした。結晶I-結晶II相転移は絶縁体-金属転移であること、結晶IIIは153Gpaまで安定な分子解離相であることも判明した。今年度の研究成果は下記の通り。 (1)高温高圧相平衡 P<5.5Gpa、300K<T<1000Kの条件下で電気抵抗変化を調べた。第1に、固相-液相境界の傾きが正であることが分かった。測定条件より高い圧力に融点極大がない限り融解曲線は上昇し続け、室温下で約15Gpaのアモルファス化開始圧力とは無関係であるように思われる。融解曲線が負の勾配を取り、その低温への延長曲線状でアモルファス化が始まる氷の場合とは異なるように見受けられる。第2の結果は結晶相Iと結晶相IIの境界が負の傾きをとることである。I-II相境界を低温へ外挿すると、過去のメスバウアー実験でアイソマ-シフトに異常が現れた圧力と一致することが分かり、9Gpaから少なくとも15Gpaの圧力域のメスバウアーデータは第II結晶相の性質をすものとして再解釈すべきと結論された。 (2)結晶相IIの構造決定 ダイヤモンドアンビルセル内で結晶I、II相が共存する約11Gpaで試料を加圧。それにCO_2レーザーを照射して加熱し、室温に急冷してX線回折パターンを測定した結果、良い結晶性を示す未知の回折パターンがえられた。現在、構造を解析中である。この未知構造は大気圧下で本来の結晶構造に可逆的に戻ることも確認した。 (3)結晶相IIIの構造 スズ原子の位置を特定するために現在メスバウアー分光実験が進行中である(共同研究)。一方、他研究者による第1原理計算による構造安定性の解析が行われ、以前我々が提出したモデルのひとつが有力であることが示された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)