初期地球の生態系モデルとしての温泉バイオマット:遺伝子とバイオマーカーによるバイオマットカタログ
Project/Area Number |
09214101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 啓之 聖マリアンナ医科大学, 歯学部, 講師 (30182645)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平石 明 豊橋技術科学大学, エコロジー工学系, 助教授 (40283486)
川上 紳一 岐阜大学, 教育学部, 助教授 (80183036)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 好熱性細菌 / バイオマット / 地球史 / キノン / 16SrRNA / 進化 / 生態 |
Research Abstract |
温泉バイオマットは、長野県の中房(3回)、中ノ湯(1回)、湯俣(1回)で調査した。バイオマット試料の微分干渉像と蛍光染色像を顕微鏡で観察した結果はデジタル画像で記録した。試料から抽出したキノンのHPLC測定の結果、マットの種類とキノン分子種の構成に相関関係を確認した。遺伝子プローブを利用してバイオマット微生物群の構成を調べた結果、硫黄芝の優占種が16SrRNA遺伝子の分子進化系統で最古の系統である硫黄酸化細菌であると確認した。またこの菌種に特徴的な含硫キノンを硫黄芝から確認した。キノン測定では典型的な白色硫黄芝以外からも含硫キノンが検出され、この細菌群が温泉バイオマットに広く分布していることが示唆された。温泉バイオマットに沈着する鉱物では、単体硫黄、硫化鉄、炭酸カルシウムが主成分として検出された。化学合成型マット(硫黄芝)では、白色または黄白色マットには硫黄が多く含まれ、黒色マットには鉄が含まれていた。光合成型マットでは光合成に関る色素がマットの色に反映されていた。また炭酸カルシウムの沈積が観察され、温泉においてもストロマトライト様の構造が形成されることを観察した。 現生の温泉バイオマットを環境と構成微生物で識別すると、生態進化の歴史において古い形質を受け継ぐバイオマットであるか否かを判定できた。この研究でリボソーム遺伝子の分子進化系統では最古の系統群に属する硫黄酸化細菌により形成されると確認できた硫黄芝バイオマットについては、地球史の初期に果した役割を検討する試みが開始された。非酸素発生型の好熱性光合成細菌によるバイオマットでも酸素発生型光合成細菌と類似のストロマトライト様構造物が形成されるという観察は、太古代に形成された岩石や鉱物の生成機構に新たな解釈をもたらした。この研究で形成された地球科学と微生物生態学との共同研究体制は今後も継続される。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)