Project/Area Number |
09214207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井原 邦夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90223297)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 古細菌 / 好塩菌 / 岩塩 / プロテオリピッド / ロドプシン |
Research Abstract |
種々の場所から集めた(古い時代のものだけでなく新しい時代のものを含めた)岩塩を用いて、注意深く滅菌操作を行い、(1)好塩性古細菌の培養と,(2)PCR法による16SrRNA遺伝子の増幅を試みた。その結果、各地から集めた12の試料の内、3つの岩塩から好塩菌の増殖に成功し、脂質分析から確かに古細菌であることは確認できた。さらに、その16SrRNA遺伝子の塩基配列を、現存する種々の好塩菌と比較した結果、Haloferax属、Haloarcula属、Halococcus属に近いことは判断できたが、系統樹上で明らかに古いものとはならなかった。手に入った岩塩の中で、古い地質時代(カンブリア紀やペルム紀)からのものと思われる試料からは、まったく増殖が観察できなかった。また、抽出試料の直接PCRも、まったく増幅が観察されなかった。岩塩中での好塩菌の生存曲線は明らかではなく、ある一定期間以前の試料からの再生は望めないのかもしれないが、まだ分析した試料の量が少ないので、好塩菌の岩塩中での局在化の問題も含め、検討の余地はある。現存する好塩菌については、そのレチナ-ルタンパクのアミノ酸配列から分子系統樹を作成し、遺伝子重複によって増えたと思える4種類の同族体の関係を明らかにした(投稿中)。この遺伝子重複の時点は進化の時間軸において一つのマーカーとなり、分化時期の推定を確かなものにできるかもしれない。さらに、ATPaseやシトクロームオキシダーゼのような重要なタンパクにも重複が見られることがわかった。この中には、好塩菌の種分化以降に重複を起こしているものがあり、生物間の分岐順序を決めるのにも役立つものと考えられる。
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