Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Research Abstract |
櫛形マイクロバンドアレイ(IDA)電極を用いた金属酸化物固体内のリチウムイオン移動速度直接測定法について研究を行った。IDA電極は伝導率測定や光電気化学反応等のin situ測定や高感度測定法としての優れた特徴も有している。Li_<1-X>CoO_2やLi_<1-X>Mn_2O_4の伝導率と光電気化学穏当のin situ測定の結果では,x<0.1の領域において金属絶縁体転移を示し,光商社直後は応答速度の早い光還元電流(p型半導体としての特定)がはじめに観測されるが,その後は光参加電流(n型半導体としての特性)に転じるなど,n型半導体とp型半導体の両方の物性を示すという理解しがたい物性を示した。しかし,光酸化電流が観測されたということはリチウム二次電池を光充電できるということであり,リチウム太陽二次電池の可能性を示唆している。 IDA電極を用いた固体内のイオン移動速度の直接測定の原理の妥当性に関しては,H^+-PVPy高分子中の[Fe (CN_6]^<3->イオン移動速度の測定という予備実験で確認したが,酸化物固体中のLiイオン移動速度の測定はSN比の点で測定できなかった。これは,固体中のLiイオン移動の化学拡散係数が10^<-12>cm^2/sというオーダーであり,電極間距離の10μmをLiイオンが移動するのに数時間以上もかかるためであった。しかし,実際のLi電池では1時間での充放電が可能であり,この点も理解しがたい結果となった。しかし,実際のLi電池では導電助材として炭素微粉末が添加されており,この炭素微粉末が導電助材としての電子伝導性の向上がかりではなく,酸化物|炭素界面の導入により酸化物固体内のLiイオン移動を加速している可能性が高いことがわかった。これは固体酸化物内のLiイオン移動機構に関するこれまでの定説を覆す興味深い結果である。
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