イオン導電体超格子における低励起モードとイオン伝導
Project/Area Number |
09215225
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
石井 忠男 岡山大学, 工学部, 講師 (90033240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 琢磨 東京工芸大学, 工学部, 教授 (80016138)
東辻 浩夫 岡山大学, 工学部, 教授 (40011671)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 超イオン導電体 / 低励起モード / 相転移 / 静的歪み / イオン伝導度 |
Research Abstract |
1.研究目的:平成8年度において、ランダム超格子系におけるイオンダイナミクスの非デバイ緩和、イオン導電体格子の静的歪みと電気伝導度の相関の解明、および、界面に平行な電気伝導度についての成果をあげ、現在も遂行中である.本年度は(1)超イオン導電体の低励起モードはプラズモンか、(2)静的歪み・低励起モードと超イオン導電体転移、および、イオン伝導との関わり、を解明することにある。 2.研究成果:(1)ガラス系を含む超イオン導電体の低励起モードの性質を明らかにするため、仮装超格子模型に確率模型を応用し、短距離中心場について理論解析し、その固有値問題を計算機により数値解析した。この結果、例えば、実験で見いだされているβ-Ag_3Slの無分散光学低励起モード、および、ゾーン境界の音響フォノンが広い波数領域で無分散になること、かつ、可動イオンの質量の平方根依存性を再現した。また、α-Aglについても検討し同様の結果を得た。これらのことから、超イオン導電体の低励起モードは単範囲秩序が関係する弱い結合がその機構であることが判明した。現在、長距離相互作用の役割を検討中である。(2)静的歪みおよび低励起モードと超イオン導電体転移を、格子ガスクラスター-静的歪みおよび格子ガスクラスター-フォノン結合系において、クラスター変分法および経路確率の方法を用いて理論解析し、その超越方程式を数値計算により詳細に検討した。その結果、EXAFSで見いだされている負の熱膨張が格子欠陥に由来することを示した。このモデルは、格子構造により一次転移あるいはファラデー転移を引き起こし、電気伝導度および比熱をもよく説明する。これから、格子欠陥生成とともに生じるクラスターが、転移温度等に大きく影響することが判明した。しかし、大きい非調和振動を有す低励起モードは、格子の安定性あるいは熱膨張には効くようだが、電気伝導度にはアテンプト振動としての寄与以外に、大きな影響を与えないように思われる。今後更に研究を進めたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)