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¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本年度はリチウム二次電池系へ高分子固体(ゲル)電解質を適用し,リチウムのデンドライト析出抑制プロセスを見出し,高分子ゲル電解質の種類,添加物の及ぼす影響を解析した.一方,固体電気化学系の応用の際の高速イオン移動における界面接合状態の設計に関する基礎的な指針を得た. 各ゲル電解質中におけるリチウムの析出形態を光学顕微鏡により観察を行った.PEO電解質中では溶液中に比べると,リチウムのデンドライト析出が抑制され,さらに,CO_2の添加することにより析出形態および充放電効率にさらなる改善が見られた. また,PVdF系ゲル電解質を用いた場合,PEO系に比べてリチウムが全体的に平滑に析出し,基板のエッジ部までも均一であり,デンドライト抑制効果が大きくなっている.これはPVdF系ゲルの機械強度がPEOより高いためデンドライトの抑制する物理的な力が大きいためと考えられる.更に,Li/PVdF-HFP(or PEO)ゲル/LiCoO_2全固体電池を作製し,同様な電極を用いた有機電解液系電池に近い充放電特性を得た. 一方,PVdF系ゲル電解質をバインダーとした複合電極を作製することにより,電極活性物質粒子と電解質の有効接触面積を増加させ,電極内部のイオン拡散も改善された.そこで,セル性能が大幅に向上できた.複合電極にゲル電解質バインダーの混入量を最適した結果,PVdFを30wt%とした電極が最大容量を得ることが明らかとなった.従って,電気二重層キャパシタだけでなく,リチウム電池正極などの設計にも応用できると考えられる.
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