Project/Area Number |
09216210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
百瀬 孝昌 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10200354)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志田 忠正 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60025484)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | 量子固体 / 固体水素 / クラスター / 化学反応 / トンネル反応 / 赤外分光 / ラマン分光 / フリーラジカル |
Research Abstract |
本研究の目的は、固体パラ水素をマトリックスとするマトリックス分離法を用いると、気相と同程度あるいはそれ以上の分解能で溶質分子の振動および回転分光が可能であるという固体水素の特性を生かし、固体パラ水素内に分子クラスターを捕捉しその構造や電子状態とともに光励起に伴うクラスター内反応過程について、高分解能分光法の手法を用いて解析することを目的としている。本年度は、以下の研究成果を得た。1)固体水素中に捕捉したメタン分子の振動回転スペクトルの観測・解析を行い、その微細構造からメタン-水素間の分子間相互作用に関する定量的情報が得られることを示した。2)固体水素中にメタンクラスターを捕捉し、赤外スペクトルを観測した。そのスペクトルの線幅は約100MHzで、合計200本以上の遷移が観測された。このことは固体水素マトリックスが分子クラスターの分光にも有用であることを示している。そのスペクトルの解析からメタンクラスター中でもそれぞれのメタンの回転の量子状態が良く保存されていることを明らかにした。3)固体水素中に捕捉したヨウ化メチルの光分解により生成するメチルラジカルと水素分子との反応を赤外分光法により追跡した。その結果、メチルラジカルをB状態に光励起するとメチレンに解離し、すぐ水素分子と反応してメタンが生成する反応経路があることを明らかにした。また、メチルラジカルは基底状態では水素分子と反応しないが、重水素化したメチルラジカルでは水素分子と反応してメタンを生成することが明らかとなり、この反応が純粋なトンネル反応であることを示した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)